2016年5月のお知らせ

背番号18

背番号18

4月6日の朝、会社の前の道路は、にぎやかでした。子どもたちの笑い声が聞こえてきます。そう・・新学期が始まりました。でも、元気がなさそうな子供もいます(笑い・・)。少し、緊張しているのでしょうか。

3月20日から、第88回選抜高校野球大会が甲子園で始まり、日本で一番小さな「香川県」から2校が出場しました。古豪である県立高松商業高校(26回)と、21世紀枠で、瀬戸内海に浮かぶ小豆しょうどしまから県立小豆島高校が初出場しました。さらに驚いたことは開会式で、小豆島高校の樋本ひもと主将が選手宣誓をし、県立坂出さかいで高校(弊社のイラスト担当の母校です。笑い・・)の三好優夏さんが君が代を斉唱しました。高松港からフェリーで北東へ1時間の小豆島は人口約30000人、オリーブ・醤油・佃煮そして手延べ素麺が経済の中心です。

小豆島手延べ素麺は小麦粉・食塩・水を混ぜ、ロープ状の麺帯めんたいをつくり、ごま油を使い左右に引っ張りながら、麺帯を細くして素麺をつくります(うどんと異なり、包丁を使いません)。澄み切った青い冬空のもとで、白い手延べ素麺が乾燥される光景は、絵のようです。1954年(昭和29年)に公開された映画、「二十四の瞳」は小豆島が舞台、原作者のつぼさかえは小豆島の出身です。木下きのしたけいすけ監督、高峰たかみね秀子ひでこが岬の分教場に赴任した大石先生を演じます。戦争の影響の最中で、大石先生と1年生12人の子供たちとの「ふれあい」の物語です。(母は、高峰秀子さんの大ファンでした)。地域のテレビ番組で、甲子園への人々の想いが紹介されました。

小豆島の人々が、一足先に出発する選手たちを見送ります。「楽しんで、こいよ~」。なんて素敵な言葉でしょう。小豆島高校の応援グッズは、メガホン・帽子・18番の背番号がついた「えんじ色」のジャンパー。どうして、18番の背番号なのでしょうか?甲子園のベンチには選手18名まで入れます。小豆島高校の野球部員は17名。応援する人全員が、18番目の選手です。9時開始の試合に向けて、3つの港から4隻のチャーター船が高松港へ出港します。出発時刻は真夜中の2時30分。1時間前に、一人の男性が港に現れました。「おじさん、出発までには、はやいでぇ」。「なんや、落ち着いて、眠れんのやぁ・・」。島の人たちの興奮した気持ちが伝わってきます。高松港で50台のバスに乗り換えて、いざ、甲子園へ!!

高松商業高校の選手は、「練習するのが楽しい・・一緒に準備をしてくれる監督さんなんて、いない」と嬉しそうに話しています。実は、高松商業高校の長尾ながお監督と小豆島高校のすぎよし監督は、共通の恩師、県立丸亀高校野球部監督OBの搆口かまえぐち先生のもとで、「考える野球」の楽しさを教えられたそうです。選手達の自主性を重んじて、選手達が練習メニューを考え、選手達が試合の戦略を練ります。

開会式の選手宣誓の言葉は、部員全員で考えました。生徒の減少に伴い、来年の春、小豆島高校は統合され、新しい場所で生まれ変わります。「宣誓・・当たり前にあった景色がなくなる。・・当たり前にある日常のありがたさを胸に、僕たちはグラウンドに立ちます・・」。短い言葉の中に、忘れかけていた大切な事を思い起こさせてくれます。高松商業高校は5回の試合を戦い、準優勝の栄誉を得ました。5試合のうち、3試合は延長戦でした。一試合ごとに、選手たちの表情がたくましくなってきました。試合が終わったときの「サイレンの音」が好きです。たくさんの想いが詰まった「響き」です。友人からメールが届きました。「勝っても涙・・負けても涙・・」。高校球児たちの真摯な表情と野球は、さわやかな春の風をもたらしてくれました。

5月のお休みは、3日・4日・5日・14日(土曜日)そして日曜日です。

今年も、つばめが来ました。すごいスピードで飛んでいます。おからだ、大切になさってください。