#032 穀物粉体食品研究会
サンメッセで穀物粉体食品研究会第2回講演がありました。穀物といっても、玄米しかも、粉体に限っているので、「玄米粉食品研究会」といった方がいいかもしれません。ご存知のように、日本は今米余りで「減反政策」が推進されていますが、なかなか減反ペースが消費の減少に追いつかず、「米の消費拡大」が急務になっています。なんで、米が余ったのか、その理由は大きく2つ(あると思います)。
1)食生活の多様化、洋風化
麺類に限っても、昔はそばや黒いうどんぐらいしかなかったのに、いまでは、ラーメン、パスタなど何でもあります。それも、乾麺、生麺、冷凍麺とすべてほしいものが手に入ります。お米は確かに美味しいけど、他にも美味しいものはたくさんある。⇒当たりが悪くる。⇒米の消費が減少。
(2)生活水準の向上
人間贅沢になってくると、主食が減って、おかずがどんどん増えてきます。結果、たんぱく質、脂質を摂りすぎてしまいます。昭和50年当時、日本人のPFCバランス(P:たん白質、F:脂肪、C:炭水化物)は、理想的であったといわれていますが、最近はすっかり欧米型になり、PとFの摂取過多が生活習慣病の一因となっています。
このような事情を背景に、もっと米の消費を進めたい、というか、少しでも以前の水準に戻したいというのが、本研究会の目的です。でも、白米ではなくて、玄米、しかも玄米粉という形態での普及を目指す理由は次のとおりです。
(1)既存の方法では普及拡大は望めない
白米での用途は限られています。つまり食事の中の「ごはん」という位置づけでは、従来どおりの消費形態でしかなく、消費拡大は望めない。
(2)現代の食生活に求められている形での提案
精米された白米よりも、玄米の方が断然、現代人にとっては、栄養価的に優れている。つまり、白米はほとんどがでんぷん質だけど、玄米は食物繊維、ビタミンB群などの微量要素を含んでいる。
(3)粉にすることによる用途拡大
しかし、玄米は調理が面倒であるとか、消化に悪いなどの理由で、普及が進んでないのも事実。そこで、これを粉にすることによって、この欠点を解消するとともに、うどんなどの麺、パン、菓子など加工分野への用途拡大を目指す。
当社でも、玄米うどん(玄米全粒粉を30%使用)を商品化して5年目になりますが、評判はまずまず(と勝手に思いこんでいる)。ただ、小麦粉製造業という職業柄、自分で足を引っぱっているような気がしないでもなく、そのあたりがちょっと引っかかります。でも、食生活を改善し、適度な運動をし、健康を維持することは、人生の大切な条件の一つです。
それにしても、最近、毎日気合いを入れて自転車を漕いでも、漕いでも、腿の筋肉は落ちてくる(もうそういう年代に突入したのか?)。現実は厳しい。逆にお腹の周りは、何もしなくてもついてくるのはなぜ?