#121 うどんテイスティング・・・挽きたて vs. 八日後

これまで口を酸っぱくして、「うどん用の粉は新しいほど良い」と言ってきました。もちろん、何度も「新しい小麦粉」と「数ヶ月経った小麦粉」とを打ち比べてみて、前者の方が優れていることは検証しているし、最近では新着情報#118でも確認済みです。

しかし、「本当の挽きたての小麦粉」と「挽いてから数日経過した小麦粉」とはまだ打ち比べてはいません。コズミンさんはグルテンの劣化は不飽和脂肪酸の増加が原因だといいました(新着情報#120)。つまり「グルテンの伸展性、弾性は挽き立て直後が最高で、その後は時間の経過とともに酸化が進み、そして劣化する」と。

ということで、今回は「バリバリの挽きたて」と、「挽いてから数日経過した」小麦粉とを打ち分けてみることにしました。挽きたてというからには、篩を通過して、製品サイロに搬送される直前の粉を、そのまま採取しました。紛れもない熟成時間0分の小麦粉です。そしてもう一方は挽いてから8日間経過した小麦粉で、いまの時期なら、まだ挽きたてとして考えてもよいくらいです。この二つを次の条件でうどんテイスティングしてみました。

【製造条件】
試作日:2008年1月25日
加水50% 塩度10%
小麦粉A:製粉時の粉を篩の下で採取、熟成時間0分
小麦粉B:1月17日製粉の粉、製粉後8日間経過
そぼろ熟成:2時間
熟成:3時間

【途中経過】
そぼろの状態でもAの方が淡黄色が強いが、これは生地、そして麺の状態ではもっとはっきりする。
製粉直後の方が小麦粉水分が多いせいか、同じ加水量では、BよりもAの方が延ばしやすい。

【まとめ】
僅か8日間ですけど、この間にかなり色の変化が起きるのはちょっと意外でした。製粉後8日間と2ヶ月間とで差があるのは当然としても、最初の短時間のうちにも変化が起こるようです。
挽きたてだからといって、作業性には全く問題はありません。
外観は挽きたての方が、淡黄色が冴えている。
グルテンもしっかりしているせいか、Aの麺線がしっかり見えるし、また実際の食感も同様でした。
味においては顕著な差はみられない。
以上を勘案するとやっぱり挽きたての方がいいようです。

途中経過はこちら↓

そぼろ熟成中:A(左)がBより少し黄色っぽいか(?)

そぼろ熟成中:A(左)がBより少し黄色っぽいか(?)

熟成中:A(左)の方が色が冴えている(?)

熟成中:A(左)の方が色が冴えている(?)

できあがり:うどんになると、画像からもA(左)の方が冴えているのがよくわかる(?)

できあがり:うどんになると、画像からもA(左)の方が冴えているのがよくわかる(?)