#248 究極のB級グルメ・・・釜揚げうどん
「B級グルメ」という言葉は、今ではすっかり市民権を得ましたが、これはもちろん味がB級ということではありません。値段はB級だけれど(つまり安価で)、日常的に食される庶民的な食べ物のことです。つまり個人的には安価で毎日食べても飽きない食品だと思っています。そしてこの「毎日食べても飽きない」というところがポイントで、一般に海外では日本料理の代表的な3点セットである、寿司、てんぷら、刺身などは確かに旨いけれど、毎日食べるにはちょっと厳しいものがあります。
毎日食べても飽きないためには、味がくどすぎないというのが条件で、そういう点ではうどんはぴったりです。ラーメンも確かに美味しいけれど、加齢と共に毎日というのはだんだんとハードルが高くなります。ところでこのお盆休みも香川の人気うどん店には、長い行列ができました。週末高速1000円乗り放題がとりあえず無期限に延長されたことや、余りの猛暑で昨年よりも行列の長さは若干は短くなったものの、それでもかなりの行列でした。遠路はるばるやって来られて、しかも炎天下の下で並んでいただいた皆さんには本当に感謝の気持ちで一杯です。
一方、地元の人たちには、うどんを並んで食べるという習慣がないというか、そういう感覚に馴染んでないのでそういった人気店にはなかなか行く機会がありません。そしてもう一つの理由は、わざわざ並ばなくても美味しく食べることのできる、お気に入りのお店があるからです。確かに行列のできるうどん店のうどんは美味しい。しかし行列ができなくても、うどんの美味しいお店もいくつもあります。どうして同じおいしいうどん店なのに、片方は長蛇の列ができ、もう一方はなんで直ぐに座ることができるのか、これは個人的に長い間悩んでいるさぬきうどんについてのギモンです。
行きつけのうどん店は当然後者になります。適度に混んでいるので、いついっても麺はしっかりしているし、また忙しすぎないので丁寧に作ることができ、よって当然味もよい。申し分ありません。そして特に気に入っているメニューが釜揚げうどんで、これにおでんとビールが付けば他には何も要りません。
一週間に7回食べる自信があります。ひと月に30回でも美味しく食べることもできます。尤も以前は「釜揚げ(大)+おでん×3」が定番でしたが、新陳代謝の低下と共に、最近は「釜揚げ(小)+おでん×2」に変わりましたけど・・・。
ここの釜揚げで特に気に入っているところ:
①摺りたての生姜が実に新鮮で、釜揚げうどんの味を引き立ててくれます。最近のセルフのうどん屋さんではどこも、摺った生姜を容器に盛り上げていますが、これは保存状態が関係しているせいか、どうも風味も味も個人的には満足できず、だんだんと使用しなくなりました。その点、ここの生姜は本当に昔の味がします。
②つけつゆも辛すぎず、甘すぎず、ちょうどうまく出汁がでていておいしい!!
③ そして肝心の釜揚げうどんは、小麦でんぷんの旨みが充分に感じられて好きです。あくまでも一般論ではありますが、茹で湯に少しでんぷんが溶け出して、白く濁る方が熟成が良く効いて、うどんの味がよくなるような気がします。
釜揚げうどんを食べるたびに、日本に生まれてよかったと思います。