#512 さぬきうどんの価格2016年版

あんまし似てない?

あんまし似てない?

先日、地元紙(四国新聞)に香川県内のさぬきうどん価格が掲載されましたので、お知らせいたします。価格調査は、消費税が8%にアップされて以来(2014年4月)2年ぶりですが、結果だけを見るとうどん価格は微増。県下には約700店のうどん屋さんがありますが、調査結果はこの内セルフ・製麺所70店と一般店30店、合計100店舗の結果です。セルフ・製麺所の平均が202.0円、一般店の平均が314.5円、全体の平均が235.7円となりました。個人的には、会社近所のうどん屋さんではいつも300円(うどん大)なので、まあそんな感じかなという気がします。

記事を読んでいて、興味深い点がいくつかありました。まず100店舗の内、かけうどん価格の下限は100円で、上限は700円でした。まだ100円で頑張っていること自体が驚異です。しかしいくら効率化を図っても100円での経営は難しく、おみやげうどんなどの併売で工夫されているのでしょう。逆に一杯700円のかけうどんも、香川県では信じられないお値段ですが、この価格でずっと営業を続けられているので、それなりに支持されていることになります。うどん一つとっても色々な商売のやり方があるものです。

次に「うどんブームは続いていると思うか?」とのアンケートに対し、「そうは思わない(55店)」、「そう思う(27店)」、「分からない(18店)」という結果になりました。「思う」より「思わない」の方が2倍多いので、全体としては「うどん県のお天気は薄曇り」みたいな感じでしょうか。ただ2年前に調査した100店の内、これまでに5店舗が閉店したという事実から、うどん業界の新陳代謝の激しさ、そして商売の厳しさが感じられます。どんな有名店でも、未来永劫商売繁盛が保証されている訳ではなく、常に厳しい視線に晒されています。

これは先日聞いた話です。地域活性化にとって、人口問題は切り離せませんが、どこも地方人口は、減少の一途を辿っています。しかし人口問題は①少子化問題②転入転出人口③周遊人口の3つに分けて考えることで、新たな展開も見えてきます。①は全国共通の問題なので、香川県も例外ではなくどんなに頑張っても影響は避けられません。②も同様で、地方はやはり転入より転出が多く、人口減の一因です。しかし③は、頑張り次第でプラスに持っていくことができます。

周遊人口とは、出張や観光などでその地域を訪れる人口のことを指します。一例を挙げると、香川県にうどんツアーに来られる人たちが周遊人口となります。言い換えると人の出入りを多くすることで地域の活性化を図るわけです。現在、香川県は、「うどん県。それだけじゃない香川県」という標語で、この周遊人口の増加を図り、活性化に繋げようとしています。香川県には、金毘羅さん、栗林公園、小豆島、オリーブなど見て頂きたいものが沢山あります。更に今年は3年に一度の瀬戸内国際芸術祭もあります。しかしどれも知名度の点では、「うどん」には一歩及びません。よってうどんを呼び水にして、香川県に来てもらい、それからうどん以外も楽しんでもらい、活性化を図ろうという計画です。

話は戻りますが、2月12日朝刊各紙のヘッドラインニュースは、大抵どこも「重力波初観測」という世紀の大発見ニュースでした。しかし日経新聞、四国新聞を含む数紙が例外となりました。日経新聞は、経済記事がトップになるのは自然ですが、四国新聞では「うどん価格」がトップに掲載され、随分と話題になりました。別に「重力波観測」よりも「うどん価格」の方が大事ということではなく、これもうどん県を標榜する、香川県の一つの決意表明だと解釈しています。

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