#551 全国年明けうどん大会2016 inさぬき

f551「年明けうどん」は、うどんの更なる振興を図る目的で、さぬきうどん振興協議会が、2008年8月6日に商標登録を申請し、2009年のお正月より実施されています。当初、「年明けうどん」という響きに違和感がなかったといえば、嘘になりますが、またたく間に浸透し、今や年越しそばに対し遜色ないレベルにまで認知されたように感じます。これもさぬきうどん振興協議会の努力、そして「誰でも自由に使用できる」というオープンソースが支持された結果です。

さて今年も昨年に続きサンメッセ香川にて全国年明けうどん大会が開催されました(昨年の様子は#503)。会場には今年も北は北海道から南は台湾まで25種に及ぶ名物うどんが一堂に会しました。また大会に先立ち、恒例となった前夜祭も大いに盛り上がりました。来賓のご挨拶の中で、「讃岐といえば、以前から年越しうどんと相場が決まっていたのに、これほど年明けうどんがメジャーになるとは思いもよりませんでした」とのくだりには、全員大いに納得。それほど従前の讃岐は、「年越しといえばうどん」と相場が決まっていました。

今年の入場者数は、香川県発表によると、初日の土曜日が18,700人、二日目の日曜日は23,100人の併せて41,800人。3年連続の4万超の入場は、人口97万人の香川県にすればかなりの集客数でうどん県の面目躍如です。今年の特徴としては、各店のうどんの量を少なめに設定したのでうどんの食べ比べがし易くなりました。チケットは3枚綴りで1200円。3店まわれば胃袋は丁度いい塩梅になります。以下、挑戦した3種のうどんを簡単にご紹介します。

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①台湾ワンタンうどん(台湾)
なんとチャーシューとワンタン、そして海苔がのっかった、いかにも台湾らしいおうどんです。しかもうどんの出汁に、チャーシューやワンタンが妙に合います。うどんもアイデア次第で様々な展開が可能であることを実感しました。そういえば自宅近くのうどん店に「中華うどん」なるメニューがありますが、こちらは、もやし、豚肉、メンマ、ねぎといった中華そばのスープにうどん玉が入っています。好みは分かれますが、不動の定番メニューを維持し続けているので、熱烈なファンがいるのです。

ところで店主の樺島さんは、佐賀県のご出身で、さぬきで修行された後、単身で台湾に渡り、さぬきうどん店「土三寒六」を開業、今では3店舗を経営されています。もちろん異国で起業故、ご苦労の連続だったでしょうが、中でも2007年の「さぬき」の商標問題は対応に苦慮されました。「さぬき」を商標登録していた台湾企業から、屋号に含まれていた「さぬき」の削除を求められた事件です。本来ですと地名は商標登録できませんが、当時の台湾では「さぬき」の知名度が低く、見過ごされました。最終的には、関係各位のご尽力により円満決着しましたが、大変なご苦労であったとお聞きしました。

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②吉田うどん(山梨県)
吉田うどんの本場、富士吉田市には丁度10年前の2006年にうどんツアーにいった記録があります(#048)。当時は富士吉田市のHPにも吉田うどんのページがあったのですが、残念ながらサイトが更新されリンク切れとなったようです。吉田うどんとは次の3条件を満たすうどんであると理解していますが、今回は、馬肉が使用されていたせいか、10年前の吉田うどんとは、少し趣が異なっていました。
・富士山の伏流水を使用した、超硬い食感。
・うどんに添える、たっぷりの茹でたキャベツ。
・ゴマ、油、醤油、味噌、唐辛子などでつくった「すりだね」とよばれる薬味。

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③かすうどん(大阪)
かすうどんとは、牛ホルモンを油が抜けるまでじっくり時間をかけて煮た「あぶらかす」を細かく刻み、秘伝のうどんつゆをかけたうどんです。「かす」という言葉だけでは、どんなうどんか連想できません。実際に試食するとあぶらかすとうどん出汁が上手く絡み、病みつきになりそうなうどんでした。

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相変わらずかっこいいうどん県副知事!