#001 うどんテイスティング・・・「さぬきの夢2000」 vs. タピオカでんぷん入

目的:「さぬきの夢2000」100%でつくったうどんの劣化防止にタピオカでんぷんが使用できないか?

詳細:一般に、小麦粉100%でうどんをつくるとゆで後の劣化(ゆで伸び)が大きい。特にスーパーで販売しているうどんは、ゆでてから口に入るまでにかなりの時間が経過しているものが多く、この傾向が顕著。そこでこのゆで後の劣化防止にタピオカでんぷんがよく使用される。ただ「讃岐の夢2000」にタピオカでんぷんを添加するには「夢2000」のグルテンの低さが課題となる。というのはASWのグルテンが28以上あるのに対し、「夢2000」のそれは24前後とかなり低い。しかも、それにタピオカでんぷんを添加するとグルテンはますます下がり、作業性が著しく低下することが心配。

試作条件:
A:「さぬきの夢2000」100%
B:「さぬきの夢2000」95% + タピオカでんぷん5%

気温    :3℃
加水率   :49%
ボーメ度  :10度
熟成時間 :3時間
ゆで時間 :13分

作業性:
タピオカでんぷんを添加した方は「さぬきの夢2000」100%に比べ、一層もろく感じられた(グルテンが少なくなるので当然ですね)。しかし加水が多かったせいか、うどんが切れるといった問題もなく、比較的簡単にできました。

結果:

(ゆであげ直後)
Aの方がうどんに艶がある。Bは白いがなんとなく冴えない感じ。 Aの方がおいしい。B:はでんぷん5%入れただけなのに風味がとんでしまった(ような気がする)。元の小麦粉がなんであれ、でんぷんを入れると小麦粉の特徴がなくなってしまうのか?また、食感も硬くなる。表現方法が難しいが、噛んでその後、噛み切るまでに力が必要。

(24時間冷蔵庫保存後)
ここで再び、熱湯に戻し比較してみると食感において、明らかに差が確認された。Aはまずいわけではないが、完全に軟らかく、いわゆるコシがなくなった状態。一方Bの方は、コシとまではいかないが、全体にしっかりとした感じが残っていて、Aとの違いは一目瞭然。改めて、でんぷんに劣化防止(ゆで伸び防止)効果があるのが確認された。まあ、みなさんも色々試されてみて自分で一番いいと思う組み合わせを選んでください。