#013 さぬうどん存亡の機(さぬきうどん不正表示問題について)・・・Part2
不正表示事件
ここで突然ですが、うどんの不正表示事件の話になります。2004年11月8日、JA香川県は記者会見を行い、JA香川県が販売している「手延半生讃岐うどん・大地」で不正表示があったことを発表しました。まさしく青天の霹靂です。具体的には、原料の大半にオーストラリア産小麦粉を使用しながら、「さぬきの夢2000小麦粉100%使用」と不正表示した「手延うどん・大地」を2002年11月から2004年9月までの約2年間にわたり、約20万パックを販売していたことです。
当初、記者会見の席上JA香川県は「県農協のチェック体制の甘さが原因だった」と全責任がJA香川県にあるとして、製造業者の公表はかたくなに拒否しました。しかし、そのニュースはその夜の全国ニュースに流れ、予想外の展開をします。また更に不正表示が「手延そうめん・大地」、「手延冷麦・大地」など他の大地シリーズにまで及んだことが判明し、JA香川県は、その翌日には製造業者Y社の名前を公表せざるを得なくなりました。その日のニュースではリポーターがY社の前に立ち、Y社をまるで国賊のような扱いで、この事件の概要を一部始終説明していました。これだけ大掛りな不正表示があったので当然かも知れません。Y社は小豆島にある製粉会社で、その後の調査で、Y社は更に別の島内の製造業者にうどんの製造を委託していることも判明しました。この不正表示事件はそれからも暫くさぬきのメディアを賑わし、ようやく沈静化したかに見えた11月19日、今度は香川県警が不正競争防止法違反、つまり虚偽表示の疑いで、JA香川県そしてY社を一斉に家宅捜索しました。さぬきうどんのブランドイメージを損ねた不正表示事件はいまや強制捜査にまで発展してしまいました。何でこんなことになってしまったのか、とっても残念でなりません。
雪印は黄色ブドウ球菌による食中毒事件の対応を誤り会社が無くなりました。またBSEや鳥インフルエンザなど一連の報道でも、私たちはいかに情報の取扱いが重要であるか、また一歩対応を誤るとどんな重大な結果が引き起こされるのかということも充分に学習しています。にもかかわらず今回の事件は起きてしまいました。理由はJA香川県そしてY社の認識不足に他なりません。当然、責任の所在もJA香川県そしてY社にあります。でも私には少ししっくりこないところもあります。ここで少しこの問題を考えてみたいと思います。