#060 うどん巡礼
10 月 22 日、さぬきうどん巡礼の旅 2 泊 3 日に東京から 27 名が飛行機で飛んできました。またそれ以外にも大阪、岡山、宮崎、徳島そして地元さぬきのうどん好きも加わり、最大瞬間風速では 40 名を越えました。ネットを交流の場にしている人たちがほとんどで、「オフ会 @ さぬき」みたいな感じで、改めてネットの影響力にびっくり。参加者の多くは、うどんマニアですが、他にもうどん研究家、うどん屋さんといったプロの人たちも含まれています。
彼らは連日、多い者は 10 杯以上、少なくても 5 杯のうどんを食べ、うどんだけでは物足りないのか、というか長いものなら何でもいいのか、八十場のところてんも食べました。よくぞまあ、これだけ食べられるものだと感心したけど、よく見ると彼らの多くは(全てではありません)、何杯でもいけそうな「うどん体型」をしています。うどんを食べて「うどん体型」になったのか、それとも「うどん体型」だからいくらでも食べれるのか、謎。それにしても彼らのうどんに対する執着心はすごい。絶対にどこかの線が一本か、二本切れている(もしくは配線間違い)。でないと、わざわざ東京から飛んできて、それだけのうどんは食べられません。喜んでいいのか、悲しむべきなのか、さぬきうどんはそういう人たちによって支えられているのです(嬉&泣)。
うどん漬けの合間を縫って、彼らは製粉工場見学にもやってきてくれました。築 50 年の木造建築なので、重量フォワードが揃っているご一行の見学に、果たして持ちこたえられるかどうか心配でした。でも誰一人、床を踏み抜きもせず、無事終了して本当によかった。
またその後は、香川大学農学部に移動し、今回のうどん巡礼の目玉である、「さぬきうどん特別講義」を三木英三先生より受けてきました。その中で興味深かったこと⇒。うどんの生地は、旨みをだすために熟成させますが、熟成時間と共に、生地の密度は少しずつ大きくなります。これは生地の中に含まれている空気が、少しずつ外にでるからなんです。でも、この密度の違いというのは、ほんの僅かなので、生地をメスシリンダーに入れ、増えた目盛りを読むくらいでは、全然違いがわかりません。で、その密度の測定方法を聞いて思わず納得。紙面の都合上、割愛しますが、興味ある方は個人的にどうぞ。
今回のうどん巡礼者、ほんの一部を紹介すると:
蓮見 壽ちゃん ・・・ 饂飩研究家で寿庵うどん研究所を主宰。さぬきでは食い足りなかったのか、名古屋でまたうどんを食って帰りました。
熊谷真菜ちゃん ・・・ 日本コナモン協会会長。粉に関することなら何でもテーマにしている非常に守備範囲の広い団体の会長。彼女、何がそんなに楽しいのか、いつもニコニコしています。製粉工場見学後、「ぜひ古代遺跡として保存すべきです」との貴重な意見をいただきました。
加藤智春ちゃん・・・練馬区のうどん店・エン座の店主。
岡部 誠ちゃん・・・八王子市のうどん店・あらたの店主。
相澤直美ちゃん・・・小平市のうどん店・福助の店主。
船ヶ山清史ちゃん・・・宮崎県のうどん店・ふなやの店主。
MOON ちゃん ・・・ 岡山に生息しているさぬきうどん愛好家。単なるうどんマニアだと思っていましたが、うどんに造詣が深いばかりでなく、その気配りというか面倒見の良さに圧倒されました。皆が口を揃えていいました「今回のツアー、最大の収穫は MOON ちゃんやな」、またあるうどん屋の主人曰く「あかん、今回は完敗や」と。びっくりしたことは多数ありますが、ここではほんの一部を紹介すると:
●昨年 30 回さぬきに来て、 138 軒のうどん店を訪問。今年は既に昨年の記録 138 軒を達成。
●当日は 2:00am に起きて、 5:00am に坂出で U さんを拾い、 7:00am に東京から高速バスできた K さんと高松駅で待ち合わせ、 9:00am に高松空港でご一行の出迎え。
●巡礼者のために、自分のコレクションのうどんグッズ、書籍、 DVD など持参し、宿泊所は正にうどん研修所。
●初日の宴会は、さぬき名物・骨付鳥。そこで MOON ちゃんは皆が使い終わったハサミをきれいに拭いているので、不審に思い質問したところ、彼の持ち物であることが判明しました。なんと MOON ちゃんは皆が食べやすいようにと、ハサミを多数持参。
●二日目の夕食はあるうどん店に約 30 名で押しかけました。各自がレジで支払うと渋滞するというので、一人ひとり集金に来てくれるんです。しかも、誰がお札を出してもお釣りがでてくるんです。それで再度質問すると、数日前から今日に備えて、小銭を貯めていたと。
●東京には皆さん 17 : 05 の飛行機で帰ったんですが、一人だけチケットがとれず 18 : 00 の便になったということで、空港で搭乗時間までお茶をしてあげて、その後、更に U さんを送り届け、 21 : XX 帰宅したそうです。 どう、すごいでしょ。こんな人もいるんです(呆 & 唖 & 驚 & 謝)。