#072 九州うどんツアー・・・その2
2)立花うどん・柳川店(たちばなうどん・やながわてん)
次にいったのは、運転手をしてくれたK君お薦めの「立花うどん」。ここは久留米店と、我々が行った柳川店の2店舗あります。メニューを見ると、かけうどん 210 円、ごぼう天うどん 360 円と、良心的というか、常識的な価格に近づいてきています。
ここでは、分厚い昆布を期待して、「昆布うどん」を注文しましたが、とろろ昆布うどんがでてきて、拍子抜けでした(というか、考えてみれば、普通はとろろ昆布がでてくるんだよな)。しかしここも、大力うどん同様、ソフトな口当たりの、そして小麦でんぷんの味がよくでているうどんでした(満足)。以下、運転手をしてくれたK君との会話:
K君: 「僕は小さい頃から、こういう軟らかいうどんしか食べてないので、硬いうどんはなかなか好きになれないんです」
私 : 「そうやろ、そうやろ。その気持ちよくわかる」
K君: 「なんか、硬いとうどんの味がよくわからんのです」
私 : 「そうやろ、そうやろ。加水を多くして、軟らかく丁寧に寝るから、小麦粉本来の甘味がでるんやで」
ということで、2軒を消化したところで、「九州うどん」の傾向がつかめたな気がしました。しかし、まずいことにお腹の方も、同時にかなりできあがってきた。おじさんたちには、さぬきうどんツアーに来ている若者たちのように、一日に5つも6つもチャレンジする、体力、気力、胃力を持ち合わせてないので、今回は事前に周到に3店だけを選んだつもりでした。それでも2軒終了した時点で、既にかなり満足してきたのは誤算でした。そこで腹ごなしに、Nちゃんが「折角、柳川まで来たので川下りをやろう」ということになったんですけど、ただ船に乗ってるだけなので、あまり効果はなし。川下りは楽しかったけど、なかなかお腹がすかない(困!)。
(3) 牧のうどん・大野城店(おおのじょうてん)
牧のうどんは、これまでの2店とは異なり、多店舗展開するチェーン店です。どこのお店も同じ造りなので、どこにいっても同じということで、博多の手前にある大野城店に決定。牧のうどんの「の」がひらがなである理由は、「牧にあるうどん屋」から始まったからという説があります。
ここのメニューでは素うどんとなっていますが、これがかけうどんのことで価格は 280 円。これまでの価格を比較すると、 130 円⇒ 210 円⇒ 280 円と上がっているので、ここまで北上すると標準的な価格になるのかと、皆で納得。ここのメニューで特筆すべきは、「軟めん」、「中めん」、「硬めん」の3つの中から、麺質を選べることです。ウリは釜揚げなので、迷うことなく釜揚げうどんに決め、軟らかい九州うどんの中で、更に「軟めん」の釜揚げうどんを注文しました。
でてきたのは、とろける寸前の釜揚げうどんで、粘り十分。ただでさえ大きいのに、お湯を十分に吸収して膨れて、更に成長しています。ここが最初なら喜び勇んで、食べたものを、3軒目なので、かなりその量に威圧され、食べきれるかどうか不安になりました。しかし、やはり美味しかったんですね、なんとか最後まで食べ切りました。
今回挑戦した3軒のお店は、どこも地元ではかなり評判のお店です。どちらも基本的には同じような傾向で、「やわらかいうどん」の意味がよくわかりました。3軒どれもよかったんですが、圧巻はやはり「大力うどん」でしょうか。かけうどんが130円。さぬきのセルフなら別になんとも思いませんが、ここは一玉が大きく、うどんは持ってきてくれるし、しかもうまい。こんなうどん屋さん、さぬきでも知りません。九州といえばすぐにラーメンをイメージしますが、うどんはラーメンとならんで九州の代表的な食文化であることを実感しました。最後に簡単に九州うどんをまとめておくと:
● 軟らかく練られていて、うどんの旨みがうまく引き出されている。
● 一玉が結構でかい。
● ごぼう天うどんは代表的メニューのひとつである。
● 必ずしも手打ち式にはこだわらない。ロール式でも切刃を使用しても、素晴らしい味に仕上がっている。
● 安い、というかとっても良心的。
● セルフはあまり見かけない。
最後に、博多駅まで見送ってくれたところで:
K君 :「さすがに今日はもう、これ以上うどん食べれんわ!」。
Nちゃん:「ほんまや、もうこれ以上無理や!」
私 :「ほんまや、ほんまや!」
で、帰ってみると、夕食はなんと「 ・・・・・ う ・ ど ・ ん !」。家人曰く、「九州までいってたので、さぞかしうどんが恋しくなったと思ってうどんにしました」とのこと。普段は2玉のところを、1玉で何とか勘弁してもらいました。その日は、最低でも7玉は食べました。こんなに食べたの、生まれて初めてですけど、これ以上食べることはもうないだろうなあ、きっと。おわり。
追伸:ある友人が不親切にも、前回の「大力うどん750円也」の正体をググッてくれました。折角、今度食べに行こうと思っていたのに、夢が消えてしまった(悲!)。⇒ 謎の大力うどん