#097 小豆島手延べそうめん
お盆前、恒例の挨拶回りで、更新が遅れました。ごめんね。で、昨日は小豆島に行ってきました。みなさんご存じのようにここは、小豆島手延そうめんの産地です。小豆島といえば、醤油(佃煮)、オリーブ、そしてこの手延そうめんになります(たぶん)。
手延そうめんは、おいしい。確かにおいしい。しかし、だからといって売上げがずっと伸びているわけではありません。理由は、大きく二つあります。
①食の多様化により、食品の種類が増えた。つまり、おいしいものがたくさんあるので、なかなか順番が回ってこない。
②そうめんはうどんに比べ、ゆで時間は短いけれど、それでも「めんどうくさい」と感じる人が多く、更に利便性・簡便性のある食品が求められている。
だから、「ただおいしいというだけで、安閑としていられた時代は終わった」ので、みなさん様々な販売方法を模索しています。その中で、昨日、「なかなかいいなあ」と感じたのが、Hさんのところ。Hさんは、製造、販売、そして試食販売までやっていて、その営業方法はなかなかユニークです。そのHさんのところで気づいた点を二つほど:
(1)自身で試食する。
Hさんは、毎回そうめんを自分で試食します。理由は、自分でつくったそうめんがきちんとした商品になっているかどうか。それともっと重要なことは、どんな味に仕上がっているのか自分で確認すること。つまり、「自分でつくった商品の味を知らずして、営業はできないし、逆に味に納得すると、自信をもって営業できるから」とはHさん談。
(2)試食販売をする。
小豆島には、夏休みになると島外から多くの観光客がやってくる。こういう人たちが、そうめんを食べるのは「得難い経験」なので、みんなとっても喜ぶ。とりわけ、実際に手延そうめんを作っているその場で、しかも屋外で食べると、子供たちは「きゃっきゃ、きゃっきゃ」といいながら食べている。こういう、体験型というか、製造現場をみながら食べると、その味も一入です。それで、食べておいしかったら、当然おみやげに買って帰るよね。
Hさんのところにお邪魔したときは、ちょうどお昼で、みなさんおいしそうに「ずるずる」していた。お忙しそうなので、早々においとましましょうと思ったら、「せっかくやから、食べていきまい!」と言われ、ごちそうになったのが、写真のそうめん。手延そうめんなので、「つるつる」、「こしこし」しているとは、当然なんですが、それに加えて、でんぷんの甘みがあった。やっぱり、麺は食べていて、この甘みがないと、だんだんと飽きてくるなあ。
あと大きな声では言えんけど、できあがりそうめんの優劣を判断する一つの基準として、床に落ちてるそうめん、つまり落麺(らくめん)の量があります。つまり上手に製造しているところは、グルテンもしっかり形成されるので、生地に伸展性があり、「すいすい」と延びます。よって、落麺はほとんどなく、見た目もとってもきれいです。逆に、急いで途中の工程を飛ばしたり、十分な熟成時間をとらなかったりすると、十分に延びず、途中で切れてしまい、下に落ちてしまいます。
製麺所によっては、辺り一面、落麺だらけのところもあります。そうなると、麺の太さも不揃いになったり、曲がったりします。で、そうなるとおいしいそうめんには見えないので、なかなか食べようとは思いません。ちなみに、Hさんのところは、どうかというと、当然、落麺ゼロでした。
それでは、みなさん。お盆休みはごゆっくりお休みください。