#105 もちつき機・・・だんごの作り方
手打ちうどんで難しいのは、多分だんご(生地)にまでもっていく工程だろうと思います。つまり、①水回し(混合)によって、塩水を小麦全般に行き渡らせ、②それを捏練(足踏み)することによって、生地中にグルテン繊維が縦横無尽に張りめぐらされます。つまり①と②によって、だんごができます。①においては、均一なそぼろにするのにちょっと経験が必要です。また、②は簡単ですが、中にはおいしいうどんをつくってやろうと、逆に踏みすぎて硬くなることがあるので注意しましょう。
ところで、先日とあるうどん愛好家の方から、「もちつき機で生地を練ると、うまいうどんができるで」とのお電話をいただきました。で、早速うまく生地が練れるかどうか検証してみました。もちつき機の取扱説明書による指示は次の通り:
練り時間 | 5~20分 |
強力粉 | 250g |
薄力粉 | 250g |
食塩 | 20g |
水 | 270cc |
これをみて感じたこと:
(1) うどんは普通、中力粉を使いますけど、(強力粉+薄力粉)/2というのは、ちょっと納得しかねるなぁ。確かに、足して割れば、タンパク値だけは、中力粉のそれに等しくなります。でも小麦粉というのは、それぞれタンパク質やでんぷん質の性質が違うので、単純に強力粉と薄力粉を混ぜればいいといものではありません。よってうどん専用の中力粉を使うようにしましょう。
(2) これだと塩水濃度は、7%以下になるので、ちょっと濃度が低いかな。
(3) 小麦粉500gに対し、塩水290gなので、ちょっと塩水が多いので、もしこの配合で手練りをすると、間違いなく柔らかくなりすぎる感じ。
ということで実際には。中力粉500g、13%濃度の塩水240gで試してみました。
以下その使用感:
(1) ハネの回転が早いので、塩水を「どぼどぼ」と落とすような感じでも、結構うまく練れている。
(2) ただ、ハネは中心に1枚しかないので、周辺部分の小麦粉は、そのままでは混ざらない。よって、「しゃもじ」とかヘラで中心まで寄せてやらないといけない。
(3) 取説では、「練り終わると、生地がまとまるので、そのまま熟成してください」とあるが、加水率48%では、塊にはならなかった。よって、5分位練った後は、ビニール袋に入れて、足で踏んだ。
(4) つまり通常の加水率(46~50%)の設定では、この「もちつき機」だけで①+②(つまり、水回しと足踏み)の工程をこなすにはちょっと難があるかな。
結論:「もちつき機」は充分実用になります。特に、水回し工程は、手作業だとかなりの力が必要だし、また小麦粉も飛散するので、充分にその存在価値はあります。ただ、中には「手打ち命」みたいな人がいて、「捏ねてるときが、最高に楽しい」と感じる人には、おすすめできません、あしからず。
蛇足:どっちでもいいことですけど、「もちつき機の正しい名称」は?
取説には「もちつき機」とあったので、そのまま使用しましたが、実際の名称となると、結構迷います。以下、ぐぐった結果を列記しておきますので、どれがいいか、皆さんご自身で判断してください。「みんなの意見は案外正しい」とすると、「餅つき器」でしょうか?
検索語 | ヒット数 |
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餅つき器 | 148,000件 |
餅つき機 | 101,000件 |
もちつき器 | 79,100件 |
もちつき機 | 41,300件 |