#127 鳴門うどんの旅

鳴門うどんといっても、鳴門巻きではなく、徳島県鳴門市に伝わるうどんのことです。コシがウリのさぬきうどんとは異なり、細くて不揃いで、柔らかくてコシがないのが特徴です。しかし、これがソフトでさらさらとお茶漬けのようにかき込めて、小麦でんぷんのうま味が堪能できる、やさしいうどんなのです。

以前、九州うどんツアー(新着情報#71)で食べたソフトなうどんとは、また違う鳴門うどんを、徳島在住のまもるちゃんに連れて行ってもらいました。以下その辿ったお店を時系列でご紹介します。尚、もっと知りたいとか、鳴門うどんを食べにいきたい方は、鳴門うどんのバイブル、「鳴ちゅる」をご覧ください。鳴門うどんの全てが網羅されています。

①住谷豆腐店
うどん屋さんではなく、いきなり豆腐屋さんですが、これには理由があります。「鳴門うどん」にはすべて「刻み揚げ」がトッピングとしてのっているけど、「ここの揚げを使っているのが本物の鳴門うどんだ」という意見が根強いので、鳴門うどんツアーにここは外せないそうです。試しに一枚53円のお揚げをおみやげに買って帰り、野菜炒めにいれたところ、大豆の甘い味がしました。確かにひと味違います。
住谷豆腐店・・・なんとこの中でお揚げを販売しています

②舩本(ふなもと)
ご覧のとおり、細めで波打ってるうどんに、刻み揚げとネギの組合せ、これが鳴門うどんの基本形です。麺が波打ってる理由は、超多加水、低塩度、そして手打ちであるからです。一杯350円は、さぬきうどんを食べ慣れていると「ちょっと高いかなぁ」と感じるけど、出汁は上品で、丁寧に作られたうどんは優しく、ソフトで、小麦の風味がぷんぷんします。メニューはうどんのみなので、たくさん食べたい方は、お代わりするしかありません。お持ち帰り用うどんも、つゆがセットで350円、実に明快な価格設定。

ただ、限りなくソフトな鳴門うどんを期待していた割には、「ちょっと生きのよいうどん」がでてきたので、どうしたもんかと思案していると、開店早々にいったので、ゆでたてがでてきたのが理由のようでした。聞くところによると、讃岐うどんと違い、鳴門うどんはわざとゆで置きしておき、それを湯煎することでソフト感をだしています。ゆで置きだからコシがないのではなくて、逆にソフトで口当たりが良くなるのです。

鳴門うどん@舩本

鳴門うどん@舩本

③大井食堂
2軒目になると、ゆであげて程良い時間が経過しているためか、食感、味ともに申し分なく、とろとろのうどんは、今にも口の中で溶けそうでした。お茶漬けのようにサラサラといくらでも入りそうでしたが、まだ後があるため、後ろ髪を引かれる思いで、一杯でやめました。ここも同じく一杯350円ですが、メニューは他にも「卵入」、「竹輪入」、「大盛り」があります。大盛りは+100円ではなく、きっちり二倍の700円と、ここもわかりやすい料金設定になっています(?!)。辛抱ができないまもるちゃんは、ここで「うどん+うどん(卵入)」を食べて750円払いました。

鳴門うどん@大井食堂

鳴門うどん@大井食堂

うどんメニュー@大井食堂

うどんメニュー@大井食堂

④名麺堂
ここは鳴門うどんではなく、「讃岐うどんの名店・名麺堂」。まもるちゃん一押しの釜かけうどんを食べました。まもるちゃんが「どうや?」とのぞき込んで聞くので、「確かに旨いなぁ」と答えておきました。そもそもこういう状況で、こんな質問されると、他に答えようがないわね、きっと。それはともかく、ここは正真正銘のさぬきうどんで、多加水、過熟成であることがよくわかる、もっちりとした、確かにうまいうどんでした。ちなみにここのうどんは、280円。

さぬきうどん@名麺堂

さぬきうどん@名麺堂

⑤に志もと
3軒廻り、お腹はかなり膨れてきたけど、ここはまもるちゃんが特別に頼み込んで、裏メニューになってる鳴門うどんを段取りしてくれたところです。無理を言った手前、「何がなんでも完食せんといかんとなぁ」と、悲壮感が漂っていましたが、思いの外すんなりと入りました。多分、鳴門うどん特有のやさしい麺と味の良さのお陰です。ここはうどん専門店ではなくて割烹なので、かつををふんだんに使いとっても上品な出汁に仕上がっていました。

食後に、ご主人に鳴門うどんの歴史、製法などをひとしきりレクチャーしてもらい、鳴門うどんの概略が理解できたことは有意義でした。特に興味深かったのは、昔はうどんを打ったとき、両端の切れっ端を丸めて、再成型し、小さな麺棒で延ばして、うどんにしたという件でした。これも多加水で柔らかく練った生地だからできることです。

鳴門うどん@に志もと

鳴門うどん@に志もと

⑥自宅の肉うどん
その日の夕食はたまたま肉うどん。細めの乾麺を釜どりした上に、肉うどんのつゆをかけました。鳴門うどんもおいしいし、乾麺には乾麺特有のおいしさがあるし、うどんって小麦粉、塩、水しか使ってないのに、色々な味が楽しめることを再認識しました。肉うどんは優に2玉はあったので、この日は都合6玉食べました。

肉うどん@自宅

肉うどん@自宅