#237 2009年さぬきうどんの生産量

さて昨年のさぬきうどんの生産量が発表されたので、ご報告します。といいながら実は過去2年間は更新できていませんでした。ここに謹んで不義理をお詫び申しあげます。

これまでの生産量の推移についての考察(?)については、#65(2006.12.12)や#88(2007.5.28)をご参照ください。また生産量の推移は下のグラフの通りですが、具体的な数値については#65の表をご覧ください。以下過去3年間の変化について簡単にまとめてみました。

 

①さぬきの生産量は2003年以降6万トンを維持していたが、昨年は7年振りに大台を割り込んだ。
2003年の66,985tは前年比+18%で、今更ながら当時の熱狂振りがよくわかります。今もってなぜ2003年が大ブームになったのかがよくわからず、大きな謎です。昨年は6万トンの大台を割り込みましたが、今後は盛り返し、何としても死守したいところです。

②さぬきうどんの占有率は23.0%とこれまでの記録を僅かながら更新した。
さぬきうどんの生産量は落ち込んだものの、全国の生産量の落ち込みはそれ以上だったために、結果としてさぬきうどんの市場占有率は、これまでの最高となりました。消費の落ち込みは、食生活の多様化、そして人口減、特に食品を多く消費する若年層の減少が大きく影響しているカンジです。

③全国の生産量は25万9313tと統計を取り始めて最低となった。
昨年の生産量259,313トンは、これまでの最高である319,329トン(1992年)に比べ△18.8%の大幅減となりました。

ところでこれらのデータは、農林水産省の出先機関である各地方の農政事務所がとりまとめています。香川県では香川農政事務所が担当していますが、そこでその調査方法をお聞きしたところ次のようにお答えいただきました:

香川県には小麦粉を使用してうどんやそうめんなどの加工製品を生産している法人組織が395法人あります(そのうち手延べ素麺の産地である小豆島には130法人)。そしてその法人をA層(小麦粉消費量が年間25t以上)、B層(同5t以上25t未満)、C層(同5t未満)の3階層に分類。A層は毎年必ず調査し、全体においては90%近くは回答を得て、それらのデータを基に生産量を算出します。

ということで粗方正確な数字はでていますが、小規模製造所はかなり抜け落ちていることになります。そして何より現在900店舗近くあると言われているうどん専門店の多くは、個人商店なので上記の調査対象にはなっていません。よって#88での試算のように専門店だけでも年間1万トン近くの小麦粉が諸費されていると思われるので、実際に香川での年間消費量は年間7万t近くまでいくかもしれません。

さてご存じの方もいるかもしれませんが、農水省は今年大幅な組織改革を行い地方の農政事務所は廃止となり、その後は地域センター(仮称)となる予定です。っで、そうなるとこれまでの各種特計データ調査は廃止されるのでは、と心配して聞いてみたところ、とりあえずは民間に委託することになっているそうです。よって来年以降もお届けできる予定です。