#242 H22年度産(2010年)さぬきの夢2000の作況

香川県で採れる小麦は、平年作で5500t程度ですが、昨年(H21年度産)は55%(3000t)程度しか収穫できませんでした。理由は播種期に降雨があり、充分に播種ができなかったことです。ただ播種後はスクスク成長したので、収穫量は少なかったものの品質は良好でほとんどが1等品質でした。っで、今年(H22年度産)は昨年の11月に播種も順調に行われ、なんとか平年作を達成してほしいと皆が願っていました。実際、途中経過も順調で最終的に刈り取りが終了するまでは、「平年作は間違いないよ!」と言われていました。

でも実際にフタを開けてみたらなんと予想に反し、作況指数は65-70%という結果になりました。最終的な数字は確定してはないものの、平年作よりもかなり落ちるのは間違いないようです。国産小麦の作況はほんのちょっとした天候の変化に大きく影響されるので、予測が本当に難しく、この辺りに国産小麦ばかりをアテにして経営することの難しさがあります。

さて2年続きで平年作を下回った結果になりましたが、内容的には少し異なります。H21年度産は播種ができなかったために収量が少なくなりましたが、スクスクと育ったので品質は良好でした。対称的に今年は播種は順調にできたのにも拘わらず、春先からの生育がイマイチで、そのため全体として小粒となったために収量が減り、また2等品質が多くなりそうなカンジです。

そういえば例年であれば、さぬきではGWにみかんの花が満開になるのに、今年は5月20日過ぎでした。最近は天候不順で(というか毎年そう言いますね)、暑い日とか寒い日とか色々あるけれど、結局のところトータルで考えると、今年の気温の推移は例年よりも2週間程度遅れているのでしょう。実際、6月上旬に収穫される梅も小ぶりでした。またジャガイモや玉ねぎも例年よりも小さかったと聞きました。だから小麦も今年は全体的に小粒になるのは仕方ないところです。

ところで弊社の玄関にも昨秋蒔いた「さぬきの夢2000」が麦秋を迎え、収穫したのでその画像をアップしておきます。GW明けにはまだ青かったですけど、20日過ぎには一気に色づきました。ある日、麦穂が何本か折れているので、通学の小学生にいたずらされたのかと思っていましたが、実はカラスや雀がやってきて、つついていたみたいです。鳥たちは普段は見て見ぬふりをしているのに、熟れると目ざとく見つけてやってきます。麦畑には沢山の小麦があるので、雀が少々食った位では何ともありませんが、ここではほんの一握りしか植えてないので、すぐに無くなってしまいます。ちなみに今年の収穫量は26gでした。

「雀」といえば某製粉会社のうどん用小麦粉に「雀」というロングセラーがありますが、こういう光景をみていると、なるほどと思ってしまいます。今は昔、中小製粉の機械設備がまた充分ではなかったころ、当時「雀」は既に確固たる地位を築きあげ、うどん用小麦粉としての業界標準となっていました。私たちはうどん屋さんに営業にいくと、決まって引き合いに出されるのが「雀」で、この銘柄で色々なことを勉強させていただきました。