#331 コンビネーターの故障その②

コンビネーターが故障した直後、ラバーブッシュという特殊なパーツの在庫の有無を、B社の日本支社に問い合わせしたとき、どうして日本支社で常備していないのかが意外でした。

DIYショップで販売されているボルトやナットなどの汎用部品であればいざしらず、B社でしか取り扱っていない特殊なパーツだけに普通に考えれば、日本支社である程度の予備をもつのが順当であると考えます。それに数ヶ月や一年といった短期間での交換が必要なパーツ、言ってみれば消耗品の類であれば、工場側で管理するべきかも知れませんが、10年とか15年に一度の交換となると、工場サイドで管理するのはいかにも非効率です。

少なくとも日本全国では何十台というコンビネーターが稼働している現状を考えると、「今後こういったことは必ずまた起こるはずだから、B社の日本支社で必ず在庫を持った方がいいんじゃないんですか?」と担当者に進言したところ、「現状では難しいですね」との答しか返ってきませんでした。実は、前任者に聞いたところ、数年前までは、日本支社の1Fが倉庫として使用されていたので、そこにラバーブッシュを含む主要なパーツは常備していたそうですが、その後の規模縮小に伴い、在庫をもたなくなったと聞きました。まあ皆さんそれぞれ事情があるのだから、そういうことであれば、自衛手段を講じるしか方法がないのかと諦めました。

その後暫く時間が過ぎて、GW明けの水曜日、再度B社日本支社の担当者から電話があり、何の用だろうと思って受話器をとると、「実は先日、直送したラバーブッシュまだ手元にあるでしょうか?」と妙なことを聞くのです。そういえば故障した金曜日にスイスから直送されたパーツは、思いの外早く火曜日に到着したけれど、コンビネーターは既に復旧していたので、そのままの倉庫に保管してあります。

どうしたのかと思って聞いてみると「実は九州にあるK社のコンビネーターが同じくラバーブッシュが破損して現在操業停止しているので、申し訳ないけどそちらにあるパーツを至急先方まで直送してもらえませんか?」とのことでした。で、すぐに送ったところ、翌日の午前中には届き、交換作業を行った結果、午後には製粉を再開できました。

更にはその翌日、担当者から再度連絡があり、「実は社内で再度検討した結果、ラバーブッシュのような特殊なパーツは今後、日本支社でも保管するようにしました」とのことでした。今更の感が無きにしも非ずですけど、そのような対応は、ユーザーにとっては歓迎すべきことです。喩えは良くありませんが、交通量の多い危険な交差点に信号機を設置してくださいと、何度懇願しても設置されなかったけれど、事故が起きてようやく設置されるようなもんでしょうか。何にせよある程度の犠牲を伴わなければ、物事は動かないのかと思うと少し複雑な気持ちになりました。