#433 694店舗の「さぬきの夢」に関するアンケート結果
それでは、実際にうどん店694店の大将に対してのアンケート結果をご紹介いたします。ご承知のように「さぬきの夢」とは、香川県で開発されたオリジナル小麦の総称です。初代は「さぬきの夢2000」で二代目が現在流通している「さぬきの夢2009」です。そして今回はこの二代目「さぬきの夢」についてのアンケートですが、詳細は下記画像をご覧ください。目的のひとつは、「さぬきの夢」の更なる拡販を図るために、使用されていないうどん屋さんに、その理由を聞くことです。尚、有効アンケート数は694件でしたが、回答拒否が25件、そして未回収65件ありましたので、以下はうどん店の総数は604店として計算しています。
【問1】「さぬきの夢2009」100%使用のうどんを提供しているうどん店は40店で、これは全体(604店)の6.6%にあたります。また常時提供しているお店は21店舗あり、この中にはこだわり店11店が含まれます。
【問2】「さぬきの夢2009」に他の小麦粉をブレンドしたうどんを提供しているのは64店舗で、全体の10.6%となります。【問1】の100%使用(40店舗)と合せると、104店舗となりますが、このうち14店舗は重複しているため(100%とブレンドの両方を提供)、結局何らかの形で「さぬきの夢」を使用しているお店は、90店舗となり、これは全体の14.9%にあたります。これは6~7店に1店の割合ですが、多いか少ないかはご判断にお任せします。
【問3】「さぬきの夢2009」を使用する理由は、「地元の粉だから」が48%と一番多く、次いで「味や外観が良い」が12%と、品質そのものを評価しているうどん店も結構あります。【問4】及び【問5】は、「さぬきの夢2009」の使用量をお聞きしました。
【問7】は「さぬきの夢2009」を使用しない方にその理由をお聞きしました。これが今回のアンケートの大きな目的です。一番多かったのが、「今使っている小麦粉で満足している」で267店(46.9%)、そしてそれと関連して「使ったことがないので不安」が48店(8.4%)ありました。つまり現在の店舗運営に特段不満がないので、敢えて小麦粉を変更する必要はないという理由です。特にうどん屋さんの場合は、保守的というか、小麦粉の銘柄を変更することにかなりの抵抗があるようです。小麦粉が変わると、当然うどんも従来とは違ったものになります。そしてもし「うどんの味」が良くなったとしても、それが現状と異なるのであれば、やはり抵抗があるのです。
アンケートのコメント欄には、そういったうどん屋さんの正直な感想が寄せられています。「今のままで満足・変えられない」、「今の味にこだわっている」、「今の粉から変えられない」、「親の代から使っているから変えられない」、「常連様に対して味を変えることができない」、「先代よりずっと同じ粉を使っている。古くからのお客さんのためにも変えられない」、「長年使っている粉でないと味がかわる」、「急に味が変わるとお客さんから文句を言われそう」といった感想は、うどん屋さんが小麦粉を変更すること対して、如何にアレルギーを持っているかがよくわかります。
【問8】「さぬきの夢2009」に使用については、「分からない」が292店(57.1%)、「使用したくない」が148店(29.0%)という結果になり、ここでも小麦粉の銘柄変更に対する、慎重な姿勢が伺えます。
【まとめ】「さぬきの夢2009」導入における最大の阻害要因は、「保守性を重んじるうどん店の現状変更に対する抵抗」にあることがわかりました。つまり「良いものだからといって直ちに使用できるものではない」ということです。ただ今後も地道に普及活動を続け、認知度が高まると、普及が加速するような気もします。何れにしても「さぬきの夢」はうどん県における要です。これからもどうかよろしくお願いいたします。