#461 オリーブ手延そうめん

f461小豆島といえば、「オリーブの島」を連想される方が多いようですが、手延そうめんも同様に有名です。小麦粉業界に携わっている人間にとっては、「オリーブよりも手延そうめんの方が、ずっと有名」なんですが、一般の方々からするとオリーブかも知れません。ただ歴史的にみればオリーブよりも手延そうめんの方がずっと古いようです。香川県のHPをみると、次のような記述があるので、小豆島におけるオリーブの歴史は100年余りであることがわかります:

明治41年、農商務省が三重、香川、鹿児島の3県を指定してアメリカから輸入した苗木で試作を始めたなかで、香川(小豆島)だけが栽培に成功した。以後、試験研究が続けられ、農家に普及するとともに小豆島を中心に香川、岡山、広島などにも栽培が拡がった。しかし、昭和34年の輸入自由化により安価な外国産のオリーブオイル、テーブルオリーブスが大量に輸入されるようになり、国内の栽培は急速に減少し、一時は小豆島を中心とした本県と岡山県の一部に地方の特産物として生産が見られるにすぎなかった。

一方、手延そうめんはどうかといえば、こちらは小豆島手延素麺(協)のHPに、「慶長三年(1598年)、池田村の人間が三輪(奈良県)から手延そうめんの技術を伝えた」とあります。つまり小豆島手延そうめんには400年以上の歴史があり、オリーブと比べてずっとずっと古いことがわかります。温暖な気候に恵まれた瀬戸内地方は、古くから小麦の栽培や製塩業が盛んでした。よって小豆島の人たちにとっては、冬の農閑期に家族労働だけで製造できる手延そうめんが安定した収入源になったようです。

さて「オリーブ」と「手延そうめん」と言えば、当然「オリーブそうめん」ということで、今回はその「オリーブそうめん」正確には「オリーブ葉茶入り手延そうめん」を試食してみました。普通の手延そうめんは、小麦粉と塩だけですが、これはオリーブの葉を少し練り込んだ製品です。また小豆島手延そうめんは、通常そうめん生地にごま油を塗布しますが、オリーブそうめんは、オリーブ油を使用しています。蛇足ながら手延そうめんは、太い生地を引っ張りながら最終的に細いそうめんに仕上げますが、この製造工程で生地同士がくっつかないよう食用油を塗布します。つまり手延そうめんにおける「食用油」は、手打ちうどんでいえば「打ち粉」に相当します。そしてこの食用油は、産地によって異なり、例えば揖保の手延そうめんは「綿実油」を使用します。

今回は、特に非売品である「さぬきの夢」製の手延そうめんも加え、①ASWの手延そうめん②「さぬきの夢」手延そうめん③オリーブ手延そうめんの3種類を、営業スタッフをも交え試食してみました。ASW製の手延そうめんは、相変わらず「ツルツル」と喉越しよく、「さぬきの夢」そうめんは、「さぬきの夢」特有の甘みがよく感じられ、どちらも好評でした。ただ製造者から言わせると、「さぬきの夢」はグルテンが少ない分、作業適性が若干劣るので、作業時間が余計にかかるとのことでした。

肝心のオリーブそうめんはというと、オリーブ茶特有の苦味(?)が、仄かに感じられますが、これは食べ比べるからそうだと感じられるレベルの違いかも知れません。しかし製造者曰く、「子供は苦味に敏感なせいか、普通の手延そうめんの方が好っきゃなあ!」とのことでした。つまりオリーブそうめんは、大人の味ということでしょうか。また画像からもわかるように、オリーブそうめんは視覚的に、とっても涼感をそそり、子供の頃に競って食べた、ひやむぎの色麺を思い出します。

ひやむぎに入っていた赤や青の色麺は、そうめんやうどんと間違わないよう区別するためだったそうですが、涼感ばっちりでした。よって通常の手延そうめんをゆでるとき、オリーブそうめんを少量混ぜれば、涼感ばっちりにゆであがるのは間違いありません。この夏はオリーブそうめんをどうぞお試してみてください。

手延そうめん3種

手延そうめん3種

普通の手延そうめんとオリーブそうめん少量を一緒にゆでまたした!

普通の手延そうめんとオリーブそうめん少量を一緒にゆでまたした!

オリーブそうめん(画像がイマイチ?)

オリーブそうめん(画像がイマイチ?)