#503 全国年明けうどん大会2015 inさぬき
「年明けうどん」とは、うどんの更なる振興を図る目的で、さぬきうどん振興協議会が、2008年8月6日に商標登録として申請し、2009年のお正月より実施されています。当初、「年明けうどん」という響きに違和感がなかったといえば、嘘になりますが、またたく間に浸透し、今や年越しそばに対し遜色ないレベルにまで認知されたように感じます。これもさぬきうどん振興協議会の努力、そして「誰でも自由に使用できる」というオープンソースが支持された結果であると考えます。
さて今年も昨年に続きサンメッセ香川にて全国年明けうどん大会が開催されましたので、その様子を独断でご紹介いたします(昨年の様子は#454)。会場には全国各地から25種に及ぶ名物うどんが一堂に会しました。特に今回は海外からの初参加として、台湾の「土三寒六」さんが参加され、うどんも徐々に国際化が進んでいます。大会そのものは土日の二日間でしたが、前日の金曜には、出展者の皆様を歓迎して、盛大な前夜祭が行われ、地域交流が一気に進みました。また浜田香川県知事を始め、うどん県の関係者も数多くご出席され、うどん県のさぬきうどんに対する取り組みの本気度がひしひしと伝わってきました。
本番の年明けうどん大会には、昨年に続き今年も二日間で4万人もの方々にお越し頂きました。これもうどんの魅力もさることながら、全国の様々なご当地うどんを居ながらにして楽しめるという、その単純明快な仕組みにあると思います。当日は弊社営業部も加わり全部で7種の年明けうどんを堪能しましたので、それらを順にご紹介いたします。それにしても25種類のうどん全てを制覇できなかったことが、返す返す残念でした。
①伊勢うどん(三重県)
柔らかい太麺に、カツオベースの少し甘いたまり醤油を絡める伊勢地方独特のうどんです。
②近江牛うどん(滋賀県)
滋賀県産小麦「ふくさやか」を使用し、近江牛と年明けうどんに相応しい「赤こんにゃく」をトッピングしました。
③きしめん
言わずと知れた名古屋のきしめん。今回は、愛知県産小麦「きぬあかり」100%使用です。しかもプラス100円でえび天が載っかり、言うことなし。
④四万十ツガニうどん
四万十のツガニとは、高知の清流四万十川の水域で採れるモクズガニのことです。四万十ツガニうどんは、そのツガニの出汁をベースに、国産小麦で打ったうどんを組合せました。前夜祭では独特の存在感を放っていたので、営業のO君がチョイスしました。
⑤さぬきしっぽくうどん
本うどん県からは3店舗がエントリーしましたが、営業I君はここをチョイス。香川県産「さぬきの夢」小麦を100%使用し、オリーブ牛をトッピングした贅沢なしっぽくうどんです。
⑥台湾年明けうどん
台湾でさぬきうどん店を展開している「土三寒六」さんが初参加されました。台湾で大人気の「ひき肉野菜麺」を日本風にアレンジ。営業O君のチョイスです。
⑦角煮入り飛魚だし五島手延うどん
五島列島は知る人ぞ知る「手延うどん」の産地ですが、その手延うどんをベースにご当地特有の飛魚出汁のうどんです。営業I君のチョイスです。
どれも甲乙つけ難い出来栄えでしたが、うどんの麺そのものに限っていえば、今回は伊勢うどんが印象的でした。というのも誠に申し訳ないのですが、従来伊勢うどんに対する印象というのは、「ふにゃふにゃ麺でさぬきうどんと対極にある麺」程度の認識しかありませんでした。しかし今回のうどんは、その柔らかさの中に、小麦でんぷん特有の旨味が十分に引き出されていて、うどん本来の旨味を堪能しました。そしてコシ(食感)だけのうどんでは、やがて飽きられ、継続して支持されるには、やはり食味が重要であると再認識しました。