#524 そうめんサミット2016 in たつの

そうめんサミット

そうめんサミット

乾麺といえば誰もが知ってる日本の伝統食品です。その種類も干しうどん、そうめん、ひやむぎ、きしめん、そばなど多岐にわたります。不快指数が急上昇する夏場には、涼感をそそるそうめんは必須アイテムです。ムンムンした中で、「ズズッ」とすするそうめんに勝る清涼剤はありません。しかし近年、乾麺全体の消費量は減少し、以前は年間30万t以上あった需要が、近年では20万t程度となっています。

需要が減少したことは残念ですが、その理由は「乾麺の魅力低下」ではなく、「食の多様性」にあると考えています。つまりうどんを例にとると、50年前は家庭内で調理できるうどんといえば、製麺所で買ってきた「うどん玉」もしくは「乾麺のうどん」しか選択肢がありませんでした。しかし食品の加工技術や保存技術の向上により、現在では「冷凍うどん」、「コンビニの調理麺」、「カップうどん」、「即席麺」など様々な形態で提供されています。よって利便性の高い商品に需要が流れるのも、ある程度は仕方ないことです。

そこで今回、「乾麺の魅力」をもう一度見直そうという意味を込め、初めて「そうめんサミット」が企画されました。開催場所は、「揖保手延べそうめん」で全国的に名高い兵庫県たつの市です。手延べそうめんは、全国に産地がありますが、何と言っても生産量、知名度においては、揖保がダントツのナンバー・ワンです。そういう訳で栄えある第一回そうめんサミットが、たつの市で開催されたことは意義深くまた自然なことでもあります。

ただ初めての試みで前例がないため、どうなるかは全くの五里霧中で見当がつきませんでしたが、たつの市・そうめんサミット実行委員会を始めとする関係各位のご努力により成功裏に無事終えることができました。5月21・22日の二日間にわたり開催されたそうめんサミットには、全国各地から35の企業や団体が参加、そして64種類の麺類が出品されました。そして2日間で約4万5千人という来場者数からもその注目度がお判りいただけると思います。

さてここからは弊社の個別事例です。実は弊社では小麦粉以外に乾麺も製造している関係上、今回のそうめんサミットに出店要請がありました。但し提供する麺は、そうめんではなく、干しうどんです。折角の機会ですので、「さぬきの夢・干しうどん」を提供することにしました。ただ弊社は専ら製造主体で、催事経験は皆無です。よって何もかもが初めてで、全く勝手がわかりません。最初は営業2名で対応できると安易に考えていましたが、他店の出店情報を参考にしながら急遽5名に編成し直しました。

「さぬきの夢」ぶっかけうどん

「さぬきの夢」ぶっかけうどん

当日はきっと暑いだろうという予想で、メニューは「さぬきの夢・ぶっかけうどん」1点に絞りました。果たして当日は好天に恵まれ、想像以上の人手になかなか対応が追いつきません。営業のI君は2日間炎天下での接客で、顔が真っ赤になりました。事務のONさんは、ただひたすら大根を擦り続け、営業のOG君と事務のTさんが盛りつけを担当。そして私は釜番として、釜に張り付き、ひたすらうどんをゆで続けました。初日が終わり、茹で釜が小さすぎることに気づき、急遽ホームセンターで二回り大きな鍋を購入。これで2日目の能率がぐっと良くなりました。

ただ連続してゆでるには、頻繁にゆで湯を交換する必要がありますが、これにはお隣の本多製麺さん持参の寸胴なべのおかげで事なきを得ました。常にお湯を張っておいてくれたお陰で、回転がぐっと良くなり、スムーズな対応が可能となりました。この寸胴鍋なくしての成功はあり得ず、本多製麺さんには感謝し切れません。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。結局2日間で500名余りにさぬきうどんをご提供することができ、安堵しました。併せてうどん屋さんのご苦労が身に染みた2日間でした。

ただひたすら大根を擦り、もりつける!

ただひたすら大根を擦り、もりつける、Onさん、Tさん、Og君!

 

ひたすら接客するI君

ひたすら接客するI君