#558 5年前のタイ旅行
タイといえば象さん、象さんといえばタイと言われるほど、タイでの象さん人気は別格です。ホテル、寺院、お店、レストランなどありとあらゆるところに象さんはいます。さてイラスト担当者による新着情報をお届けします。
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ふとアルバムを見返すと、ちょうど5年前の今頃、私は友人と2人でタイを旅行していました。実はその友人はまだ海外旅行をしたことがなく、「どこでもいいので連れてって」というのでタイ旅行が決まりました。行き先は別にタイでなくてもよかったのですが、物価が安く、比較的近くで、また人気の旅行先であったという単純な理由で決めました。ただ簡単に決まったのはいいけれど、出発前日に風邪気味になり、波乱の出発となりました。
飛行機はただでさえ苦手であるのに加え、体調甚だ不調であったため、機内での状態は最悪でした。しかも友人は、機内食のタイ料理に「美味しい、美味しい」を連発するので、頭は益々ガンガンするばかり。到着した頃には、更に体調が悪化し、意識は朦朧とし、1日目は一日中ホテルでの休憩となりました。海外旅行が初めてという友人には、いきなり何もお付き合いできず、ただただ申し訳ない気持ちで一杯でした。しかし友人は別に気にする風でもなく、「私はホテルを探検してくるね!」と勢いよく部屋を出て行く後ろ姿をみて少し安心しました。
ところで普段はいくら仲の良い友人でも、旅行となると気を使うのは私だけでしょうか。というのは普段は数時間だけ一緒にいてお喋りするだけの付き合いでも、旅行中は、起きている間はずっと行動を共にすることになります。特に二人だけとなると、否が応でも相手の存在が気になります。心配症の私は、みな其々趣味や好みが違うのだから、皆が同じ行動を取るのは難しいのでは云々、とついつい心配してしまいます。「私がトムヤンクン食べ歩きツアーに行きたい」と思っても友人はショッピングに行きたいかもしれない。体調が最悪の中、「どうしよう、どうしよう」と考え込んでは、心配だけがどんどん大きくなります。
しかし一晩寝ると、体調はウソのように回復し、ただ訳もなく「これなら大丈夫」と自信がみなぎってきました。その朝、ホテルの部屋を改めて見渡すと、テーブルの上には美味しそうなフルーツと共に、かわいい象のぬいぐるみが2つ並んでいるではありませんか。「このぬいぐるみ、お土産にちょうどいいいわね!」と、一瞬浮かれましたが、持ち帰っていいのか確信が持てず、そのまま放置しておきました。すると夕方、部屋に戻ると、今度は違う象のぬいぐるみがベッドの中央にいるではありませんか。それをみて、このぬいぐるみは私たちへのプレゼントだと確信し、スーツケースにいれることにしました。
すると翌日もまた、夜部屋に戻ると、また違うぬいぐるみが置かれていたので、結局合計4つの象さんを連れて帰ることにしました。どの象さんも可愛いくてレベルが高いのです。タイでは特に象さん人気が高く、旅行中行く先々で色々な象さんに遭遇しました。しかし象さんといえば、ホテルのブティックのショーウインドウで見つけたお母さん象さんは別格でした。とろんとした目つきが何とも言えず、背中にかけてある凝った模様の鞍敷もお見事。更には両脇にいる子象たちもかわいい。できることなら何とか彼女も一緒に連れて帰りたいと強く希望しましたが、願い叶わず後ろ髪を引かれる思いで戻ってきました。