#573 さぬきの夢・ブレンド店(仮称)のご提案

f573ご承知のように香川県では「さぬきの夢こだわり店」(以下「こだわり店」)という認証制度がありますが、「こだわり店」に認証されるには次の2つの条件を満たす必要があります:
①年間を通じ、「さぬきの夢」を100%使用したうどんを提供する香川県内のうどん店であること。
②「かがわ農産物流通消費推進協議会」が、このクオリティーであればお客様に十分に満足していただけると認定していること。
つまり香川県産小麦「さぬきの夢」を使用したうどんを堪能したいなら、こだわり店にいけば間違いないということです。現在、13店のこだわり店が認証済なので、まだ試されてない方は是非どうぞ。

「こだわり店」は、香川県内のうどん店に限定されますが、県外のうどん屋さんには「さぬきの夢・協力店」(以下「協力店」)なる制度があります。これは「さぬきの夢」を常時50%以上使用している県外のうどん店が対象で、現在16店が「協力店」として認定されています。首都圏にも何店舗かあるので、うどんツアーにこられない方は、最寄りの協力店はいかれてみてはいかがでしょう。現在、香川県内外で「こだわり店」と「協力店」」併せて29店舗が認定されていますが、今後更に増える予定です。

さてこの「こだわり店」13店舗という数字が多いのか少ないのかは判断が分かれるところですが、香川県内のうどん店の総数が約700店であることを考慮すれば、それほど多いとは感じません。「さぬきの夢」はASWに対し作業適性については一歩譲るものの、その深い味わいと旨味はそれを補って余りあります。またさぬきの小麦でさぬきうどんを打つのは極めて自然で意義深いことだし、加えて「こだわり店」に認証されると香川県から有形無形のサポートも得られます。

よって「こだわり店」に認証されるとお店にとって良いこと尽くめのように思えます。しかし現実は、それほど多いようにも思えません。そこには何か理由があるはずです。実は、以前香川県下のうどん店全てを対象にアンケートを実施し、「さぬきの夢」を使用していないうどん店にその理由をお尋ねしたことがあります。使用しない理由はいくつかありましたが、一番大きな理由は次のようなものでした。

「さぬきの夢」を使用しない一番大きな理由は、「現在使用している小麦粉を変更することに抵抗がある」でした。つまりうどん屋さんにとっては、慣れ親しんでいる小麦粉が一番良い粉で、品質云々はある意味別の問題になります。たとえ小麦粉の品質が良くなっても、作業手順の変更が必要となれば消極的にならざるを得ません。また食味食感が良くなったと店主が感じても、最終的に判断されるのはお客様なので、店側だけの判断だけでは決められない事情もあります。趣味のうどん打ちなら自由に小麦粉を選択できますが、商売となるとお客様の視線を気にせざるを得ないのです。

そこで「さぬきの夢」の普及に弾みをつけるために一つ提案があります。それはもっと気軽に「さぬきの夢」を知ってもらうために、現在使用している小麦粉に10%でも20%でも自由にそして気軽にブレンドしてもらうことです。少量であれば抵抗なく使用できるし、色々な比率を試すことで更に気に入ったうどんができるかも知れません。ハードルを下げることで、普及に弾みがつくかもしれません。「さぬきの夢ブレンド店(仮称)」は試す価値が十分にあると考えます。