#600 2017年今年の三大ニュース
早いもので今年もあと数日を残すのみとなりました。今年も皆様には一年間お世話になりました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。さて今年の讃岐のうどん業界も、新店が次々とオープンする一方で、閉店も相次ぎ、新陳代謝の激しい1年となりました。昨年は、香川大学近くの吾里丸さんの閉店が地元紙では大きく取り上げられましたが、今年は坂出の老舗うどん店兵郷製麺所が閉店し、何とも寂しい限りです。さて例によって今年の業界3大ニュースを独断でチョイスしました(香川県内の10大ニュースは最後にアップ)。それではみなさんどうか良い年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。
【2017年独断の3大ニュース】
① 平成29年産さぬきの夢・大豊作(#577)
H29年産「さぬきの夢」の収穫量は前年比35.9%アップの6,400tとなりました。これは栽培品種が現在の「さぬきの夢」になってからは、9年ぶりに最多収穫量を更新。特に過去3年間はいずれも5,000t未満でしたので、生産者、製粉会社、そしてうどん店も今年はやっと一息つけそうです。また豊作であるということは、品質的にも高品質が見込まれ、今後の評価が楽しみです。ただ来年に向けで懸念材料もあります。実は、この秋から冬にかけては、降雨量が多く、小麦の播種がなかなか進んでいません。よって来年の収穫量は減少が見込まれています。
② 日欧EPA妥結(#584)
日欧EPAは大枠合意したと#584でご紹介しましたが、2017年12月8日とうとう妥結に至りました。2019年発効予定で、これで世界GDPの28%を占める巨大な経済圏が誕生することになります。発効後ワインの関税は即時撤廃、パスタは現在30円/kgの関税は段階的に下がり、11年目にはゼロになります。現在の通関時の平均価格が170円/kgなので、最終的には140円/kgまで下がることになります。現在パスタの年間需要は28万tですが、その内の半分が既に輸入されています。よって関税が撤廃されると、輸入パスタは益々増えることになります。
③ 丸の内朝大学・瀬戸内うどん留学クラス(#587)
丸の内といえば言わずと知れた日本一のオフィス街。東京駅から北に隣接する大手町にかけては、大手銀行や大企業のビル群が林立し、日本経済の中心地となっています。そしてその丸の内のオフィス施設を始業時間前に有効活用し、カルチャーセンターとして利用しましょうというのが、「丸の内朝大学」です。この秋学期には、なんと食学部「瀬戸内うどん留学クラス」が登場。2017年10月6日にスタートし、毎金曜日7:15-8:15(60分)全7回コースでした。内容はさぬきうどんのエッセンス、小麦粉の話、うどん店経営のお話など内容は盛りだくさん。特に第5回目は、一泊二日の現地さぬきのフィールドワークで、実際のさぬきうどんを堪能。そして瀬戸内うどん留学クラスの締めは、手打ちうどん作りに挑戦となります。自分で打ったうどんが、どれほど美味しいか実感し、感激されること請け合いです。
【その他の主なニュース】
④2010年の彦江製麺所、2013年の上原製麺所に続き、2017年12月22日を以て兵郷製麺所が閉店しました。老舗の製麺所が相次いで閉店し、寂しい限りです(#599)。
⑤今年も12月2、3日にサンメッセ香川にて年明けうどん大会が盛大に開催され、42,000人が訪れました。今年はNHKのラジオ生放送も中継され、益々活況を呈しています(#597)。
⑥アメリカのトウモロコシ製粉工場の粉塵爆発で5名が亡くなった事件にはびっくりしました(#596)。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
【香川県のニュース】国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内委員会により、瀬戸大橋が「日本の20世紀遺産20選」に選ばれたニュースが、第4位にランクイン。瀬戸大橋は2018年4月に30周年を迎えます。