#648 2018年今年の三大ニュース
早いもので今年もあと数日を残すのみとなりました。今年も皆様には一年間お世話になりました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。昨年も感じたことですが、今年の讃岐のうどん業界も、老舗のうどん店の廃業が目立ちました。一方、退店したコンビニ跡に、セルフのうどん店が居抜きで入るケースも多く、うどん県内の競争も激化しています。
さて例によって今年の業界3大ニュースを独断でチョイスしました(香川県内の10大ニュースは最後にアップ)。それではみなさんどうか良い年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。
【独断で選ぶ2018年の業界3大ニュース】
①「 讃岐うどん」やっと広辞苑(#603)
1955年に初版を刊行した『広辞苑』は、その後60年余が経過し、2018年1月12日、10年ぶりの改訂新版となる第七版を刊行しました。出版元の岩波書店の言葉をお借りすると、いまや「国語+百科」辞典の最高峰、「国民的辞典」と言われるまでに成長。しかしその余りに有名な辞典であるが故か、些細な(?)誤りもたちどころに大ニュースとなり、益々広辞苑の知名度は上がることとなりました。
そして今回は、「とうとう」と言うべきか、「やっと」というべきか、満を持してうどん県の「讃岐饂飩」も、秋田の「稲庭饂飩」と仲良く、晴れて広辞苑の収録語に仲間入りしました。金比羅宮、栗林公園、小豆島、直島、瀬戸大橋といった有名処が第六版の時点で既に収録されていたことを考えると、遅きに失した感が無きにしもあらずではありますが、ここはうどん県の住人としては、素直に嬉しいです。さて肝心の説明はといえば、「さぬきうどん【讃岐饂飩】香川県特産のうどん。麺はこしが強く、太め。」と至って簡潔明瞭で若干拍子抜け気味ではありますが、とにかく嬉しいです。
②香川の名店こむぎ屋さん閉店(#615)
知る人ぞ知る坂出の名店「こむぎ屋」さんが、4月11日、惜しまれながら閉店しました。最初は善通寺市で、共同経営者と讃州屋を立ち上げ、3年営業した後、高松市の栗林公園近くで「こむぎ屋」を6年間営業。その後、坂出に移り、現住所で「こむぎ屋」を開業し32年間営業されました。今年の4月10日は、折しも瀬戸大橋開通30周年、つまりこむぎ屋さんは瀬戸大橋と共に坂出の歴史を刻んできたことになります。現在の営業時間は11:00~15:00ですが、当時はなんと25:00まで営業し、飲み屋の締めに、大勢が利用しました。名店がまた一つ消え、誠に残念です。
また2018年9月10日には「さぬきの夢」こだわり店であった丸亀の寿美屋が大将の高齢化により閉店。また2018年11月5には滝宮の「松岡」が閉店。今年も老舗うどん店の閉店が目立ちました。
③さぬきうどん一杯の価格は239.9円(#620)
地元紙(四国新聞2018.5.4)によると、うどんの平均価格は、239.9円と前回(2016年)と比較しても僅かのアップ、また5年前と比較してもほぼ同じです。一見同じに見えますが、実はそうではありません。セルフ店と一般店を分けて比較すると、違いがよくわかります。5年前と比較すると、一般店は309.6円↑317.8円(102.6%)とほぼ同じであるのに対し、セルフ店は174.6円↑206.6円(118.3%)と、約20%の大幅アップです。セルフ店は、元々価格を安く設定しているため、原価率が高く、その結果原材料費の影響を大きく受けるからです。
【次点のニュース】
④小麦の自由化加速
TPP11(環太平洋パートナーシップ協定)は12月30日に発効、日EC・EPA(日EU経済連携協定)は2019年2月発効予定、日米TAG(日米物品貿易協定)は協議中。これにより輸入小麦にかかるマークアップ(関税)は、今後9年かけて45%下がる予定。
⑤年明けうどん大会2018
今年も12月1、2日にサンメッセ香川にて年明けうどん大会が盛大に開催され、43,000人が訪れました。 (#645)。
【香川県のニュース】
瀬戸大橋が4月10日に満30歳になりました。また丸亀市のシンボル丸亀城の南西部石垣が7月、10月、台風などの影響で相次いで崩落しました。早期の復旧を願うばかりです。