#668 うどん県の平成10大ニュース・・・第1位はうどんブーム

元号が平成から令和に変わる前夜の4月30日、テレビはどのチャンネルも平成の特番ばかりで、まるで新年を迎える大晦日のような雰囲気でした。さて先日、平成時代を締めくくるにあたり、地元紙四国新聞に、読者投票により決定された「香川の平成10大ニュース」が発表されました。そして堂々の1位には、「なんと」というべきか「当然」というべきか、「讃岐うどんブーム」が選出されました。

第2位は、新高松空港。新高松空港は、高松市香南町に1988年12月16日開港。旧空港は、現在、サンメッセ香川、香川県立図書館、香川大学工学部などが立地する高松市林町にありましたが、滑走路が短いために移転。旧空港の離発着ロビー内の一角にはうどん店があり繁盛していたのを覚えています。連絡船うどん、高松駅構内のうどん、空港内のうどんと当時は、人が集まるところには、どこにでもうどん店がありました。

新空港の候補地としては、当初高松市生島町沖が有力視されていましたが、諸般の事情で中止となりました。もし生島町沖を埋め立て空港ができていたら、現在は寂れてしまった坂出市北部の状況は、一変していたに違いありません。現在の高松空港は、ソウル、上海、香港、台北の4つの国際線が就航する国際空港となり、台北便はなんと毎日運行しています。台北でトランジットすることで、オーストラリアやバンコックがずっと便利になりました。

第4位は瀬戸芸(瀬戸内国際芸術祭)。改めて説明するまでもなく、瀬戸芸は「海の復権」をテーマにした芸術祭で、2010年に始まりました。3年毎の開催で、現在はちょうど4回目が開催中です。来場者は初回が93万人、13年、16年はいずれも香川県の人口より多い100万人を超え、今回は更に多くなるのは必至です。みなさんもうどんツアーを兼ねて、ご来場されてみてはいかがでしょう。

第6位の高潮被害と第8位の大渇水は、鮮明に覚えています。2004年8月30日、台風16号による高潮により高松市中心部が広範囲に浸水しました。弊社も工場及び倉庫が一部浸水し、後片付けが大変でした。また平成6年の大渇水では、四国の水瓶である早明浦ダムの貯水率が0%となり、完全に干上がってしまいました。湖底からは旧大川村役場が出現し、それをひと目見ようと多くの観光客が押し寄せました。

第7位は高松自動車道。全線開通したのは、2003年3月でしたが、一部区間は暫定2車線のままで、しばしば渋滞の原因となっていました。しかし2019年3月8日、高松自動車道がついに全線4車線化を達成。全線4車線化のおかげで、今年のGW10連休は、例年より大幅に観光客が増加したにも拘らず、ほとんど渋滞は起こりませんでした。これで香川県のインフラ整備も、ほぼ完成したことになります。

さて改めて「讃岐うどんブーム」を考えます。讃岐うどんブームの起こった回数については、3回もしくは4回説がありますが、うどんの生産量に着目すると、3回説の方が自然かもしれません(#543)。それはともかく、1988年(昭和63)年4月10日に瀬戸大橋が開通し、本州と四国は繋がり、それが多くのうどんツアー客を呼び込んだことは間違いありません。同様にその10年後の1998年(平成10)4月5日、 明石海峡大橋の開通により、淡路島を経由して本州と一つのルートでつながり、阪神地区から多くのうどんツアー客がくるようになったことも間違いありません。

前者は昭和の時代、そして後者は兵庫県のできごとで、直接平成時代に香川県で起こったできごとではありませんが、これらなくして平成の讃岐うどんブームが起こったとは到底考えられません。つまり瀬戸大橋と明石海峡大橋の開通、そして高松自動車道の全通こそが、平成の讃岐うどんブームの原動力になったに違いありません。