#674 骨折日記②
#670でもお伝えしましたが、ことしの「さぬきの夢」は、史上最高の豊作となりました。また3年連続豊作となったのも史上初です。史上最遅の梅雨入りとなったおかげで、収穫時の降雨に遭うこともなく、播種から収穫まで、順調に経過した結果です。さて右肘骨折のイラスト担当者による新着情報をお届けいたします。
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利き腕が使えなくても、慣れというのは凄いもので、2週間もすると左手生活にも不自由することがなくなりました。洗顔、お化粧、着衣等々、当初はどれも格闘していたものが、日を追うごとに上手くなり慣れてきました。意外なところで人間の適応能力の高さを実感しました。ただ左腕1本しか使えないので、雨の日の移動は難儀しました。
一方、慣れてきた左手とは逆に、骨折した右手の腫れは、2週間でピークを迎えました。パンパンに腫れあがり、骨は勿論、指関節のシワなども見えません。また手を下方に吊るしていたせいか、内出血が腕と手の甲に出現しました。黄色や紫色に変色した右手は衝撃的で、本当に元通りになるのか不安一杯でしたが、有難いことに、職場では周りの方々が助けてくれたおかげで、気が滅入ることなく徐々に日常生活を取り戻すことができました。
ともあれ悪夢の転倒から一ヶ月、めでたくギプスを外す日を迎えました。果たしてギプスは無事外れたものの、全く腕を曲げることができません。まるでまだギプスを装着しているかのように、右手は棒状態で、ここからリハビリ生活がスタートしました。6月に入ると週に2回、朝一でリハビリテーション科に通い始めると、同世代の優しく明るい作業療法士さんが担当してくれました。周りを見渡すと、ほとんどが高齢者で、若年層は私のように怪我からの復帰リハビリです。
リハビリは1回40分。私(肘)の場合、始めにマッサージで筋肉をほぐしてもらった後、伸びと曲げを行います。初回の私の可動域は確か35度から65度くらいでした(これはギプスをしていた頃と大して変わりません)。最終目標は、手が肩に当たる130度。マッサージの時間は気持ちよく、楽しく会話も弾みますが、その後の「曲げの訓練」は激痛が走り、絶叫タイムとなります。特に肘の患者さんは痛みが強いらしく、わめいたり、痛さのあまりのけ反ったりする人もいます。私も年甲斐もなく、ギャーギャーと叫んでしまいました。
第2回目のリハビリは、「無理やり曲げてギリギリ90度に行くか行かないか」というところが目標。この2回目が最高に痛くて辛く、リハビリのクライマックスです。散々叫び散らかして、お手洗いで自分の顔を見ると、目元の化粧が涙やらなんやらで酷いことになっていたのは衝撃でした。この後出社すると、社内の人から「憔悴しきってない…?」と次々に心配の声をかけてくれました。このような貴重な経験を経て、最近はやっと100度くらいまで痛みなく曲げることができるまで復帰しました。右手でお箸も持てますが、口まで自然に持ってくるには、あと一歩といったところです。よって文字を書くのはすっかり右手に戻りましたが、お箸はまだ左手が活躍しています。またピアノやギターはリハビリには最適なので、以前にも増して、一層力を入れて練習に励んでいます。
スケボー転倒から今日まで、長くて辛い2ヶ月間でした(なんと大げさな!)。そして改めて健康でいられることの有り難みを再認識できる貴重な経験となりました。まあ、今後何があろうと、私がスケボーに乗ることはないですね。近づいてくるお盆休み、浮かれてGWの二の舞にならぬよう、気を引き締めて生活したいと思います。