#699 さぬきうどん一杯は258円@2019年

これまでさぬきうどんの価格推移については、地元紙(四国新聞)の調査結果を何度かご紹介しています。2019年10月の消費税アップ後の最新価格調査が紹介されましたので、ここにまとめておきます。調査日は、2003年から2019年までの6回です。うどん店にはセルフ・製麺所と一般店の2種類があります。もちろん前者の方が安価で、後者はフルサービスなので若干高くなります。また2003年と2011年(①と②)の調査では、両者併せて50店舗が調査対象になっていますが、その内訳についての説明はありませんでした。

一方、2014年以降の調査(③~⑥)については、調査店舗数がセルフ店・製麺所・70店舗と一般店・30店舗と大きく増えました。2011年の全平均(239.4円)よりも2014年の全平均(234.4円)が若干下がっている理由は、調査店舗数の違い、つまりセルフ・製麺所が70店舗と大きく増えたことが理由であると推測します。以下2003年~2019年までのうどん価格の推移について、気づいたことを簡単にまとめておきます。尚、()内の数字は新着情報の番号です。興味ある方はご参照ください。

【2011年の値上げの理由・・・小麦価格の高騰】
2011年にはセルフ・製麺所が161.5↗174.6円と13.1円の上昇、一般店が292.5↗309.6円と17.1円の上昇と、どちらも大きく上昇しています。当時の記事をみると、小麦価格の高騰がうどん価格の値上げの原因と断定しています。この頃は干ばつによる世界の小麦生産が落ち込み、国際価格が大きく上昇しました。ただその後ほどなく、小麦の国際価格は平均的な価格に戻りましたが、うどんの価格はそのままでした。尤も小麦価格は元に戻っても、諸経費はアップしているので、仕方のないところです。

【2014年の値上げの理由・・・消費税アップ】
2014年には、セルフ・製麺所は、174.6↗199.4円と24.8円の大幅アップとなりました。一方、一般店は309.6↗312.4円と微増に踏みとどまり、我慢しました。この年の値上げは、2014年4月1日に消費税が5%↗8%にアップしたことが原因です。尚、セルフ・製麺所の価格は199.4円でしたので、この年を境に200円以下のセルフうどんは、減少することになります。

【2019年の値上げの理由・・・消費税アップ】
昨年(2019年)にはセルフ・製麺所が206.6↗223.6円と17円の上昇、一般店が317.8↗339.2円と21.4円の上昇と、どちらも大幅上昇。値上げの理由は、まだ記憶に新しい消費税が8%↗10%にアップしたことです。前回の消費税アップ時(2014年)には、一般店は我慢しましたが、今回は形態を問わず大幅アップとなりました。最新のうどん価格は、セルフ・製麺所が224円、一般店が339円、そして全平均が258円となりました。

【セルフ店の天ぷらの品揃え】
今回の調査では、セルフ店に置いてあるてんぷらの品揃えも調査対象となりました。もちろん売れるから置いてある訳で、多い順番に、ちくわ(60店舗)、とり天(43店舗)、ゲソ(41店舗)と続きます。九州では定番のごぼう天は、29店舗と第10位でした。ほとんどの食材は、天ぷらにできるので、季節に応じて旬の野菜てんぷらが棚に並びます。尚、セルフ店のサイドメニューとして忘れてはいけないのが、大きな器に沢山盛られた甘く煮付けた「おあげ」です。これを一枚素うどんに載せると、きつねうどんになります。

【最近の傾向と問題点】
ここ数年の傾向としては、インバウンド増加による影響で、47店舗が、外国人客が増加したと回答。客層も東南アジアだけでなく、欧米のお客さんも増加したといいます。ただキャッシュレスの導入は低調で、現金での支払いが圧倒的に多いようです。また最近の人手不足により人件費が上昇し、これが値上げの一因になっています。更には人材が集まらず、時短もしくは休業を強いられる店もあります。