#730 東京の秘境・海沢三滝(うなざわのさんたき)

今年のお盆休みはコロナ禍の影響で、東京から脱出できず、よって帰省せず東京で普段通りに過ごすこととなりました。会いたかった祖父にも面会叶わず、電話で「ワシも元気でおるから、そちらも元気でおりなさい」と言われた時には、おもわずホロリとなりました。

ということで例年にも増して猛暑日が続いた東京の夏を体験した私は、ついに地球温暖化を確信するに至りました。花火や夏祭りといった恒例イベントも軒並み中止となり、益々暑さが増幅される中、なんと西東京奥多摩にある滝に見に行くチャンスを得ました。都内から車を走らせること2時間余り、景色は一変し、広がる田舎の風景は同じ都内とは思えません。やがて車一台がギリギリ通れるほどの薄暗く狭いトンネルを抜けると、ほどなく現地に到着。駐車場には既に数台の車が止まっていて、皆さんお目当ては滝ツアーのようです。

大型車からはキャニオニングツアーの団体客も数名降りてきました。キャニオニングとはアメリカで生まれた、渓谷を下るアウトドアスポーツです。自然豊かな奥多摩には沢山の滝があり、「海沢三滝」は特に人気の観光スポットです。奥多摩三山のひとつ「大岳山(おおだけさん、1266.5m)」に降った雨は、北に流れて海沢渓谷を通り、海沢谷(うなざわだに)から多摩川に合流します。そして海沢三滝は大岳山の北斜面に位置します。「三つ釜の滝」「ネジレの滝」「大滝」の三つからなり、中でも「大滝」は最も奥地にあります。

この日に備え専用トレッキングシューズを購入し、ウエアもばっちり揃えての挑戦でしたが、その道中は想像以上に過酷でした。途中、ロープが必要な急斜面や、油断すると足を取られそうな悪路が続き、にわか登山者にはキツイ経験でした。休憩しながら歩き続けること1時間、ついに念願の大滝に到着。さっきまで暑かったのが一変、滝の周りは体感で5度以上低く感じ、マイナスイオンを全身に浴び一気に心身ともにリフレッシュできました。滝の落差は23メートルもあり、間近に迫る滝からは、その落下音と共に迫力がよりダイレクトに伝わってきます。

出発前に駐車場で見かけたキャニオニングの一行も到着したようで、ロープを巻きつけ岩に登り、滝から勢いよく流れる水にも屈さず下りてきます。見ている側はハラハラドキドキですが、豪快な水しぶきを受ける姿はとても気持ち良さそうで、夏のレジャーにうってつけなのがよく分かります。暫くすると汗もすっかり引き、このまま気持ち良く帰れれば最高なのですが、当然きた道を戻らなければいけません。往路の登り道に比べ復路の下り道は随分と楽でしたが、それでも駐車場に着いた頃にはやっぱり全身汗だくでした。

ところで久しぶりのトレッキングで体力のなさを痛感したので、8月から腹筋を鍛えるトレーニングを開始。元来ズバ抜けて腹筋がない私は、補助なしでは上体起こしすら出来ません。ヨガマットを購入し、ネットでトレーニング方法を研究し、短時間で無理なく続けられそうな方法を試したものの、たった3分のトレーニングで、翌日筋肉痛になりました。そもそも楽して効果が得られるトレーニングなんて存在するわけがありません。「継続すると筋肉痛も慣れてくる」とのコメントに励まされ、何とか継続することに。不思議なことに1週間もすると筋肉痛はなくなり、同じトレーニングでも余裕が出てくるようになりました。そして続けること1ヶ月。トレーニングの売り文句には「1ヶ月で腹筋が割れる」と書いていたのに、おかしい…。代わり映えしない自分のお腹を見て、潔くトレーニングは止めにしました。

大滝