#792 2021年今年の三大ニュース

早いもので今年もあと数日を残すのみとなりました。今年も皆様には一年間お世話になりました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

今年も新型コロナウイルス変異株に振り回され、うどん県もうどん業界も大変な一年となりました。最近になりようやく「おみやげうどん市場」も、やや回復の兆しがみえるようになりました。来年はなんとか平穏な年に戻ってもらいたいと願うばかりです。

さて例によって今年の業界3大ニュースを独断でチョイスしました(香川県内の10大ニュースは最後にアップ)。それではみなさんどうか良い年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。

【2021年独断の業界3大ニュース】
①煮麺の日(2月5日)の制定(#751)煮麺(にゅうめん)」は、「そうめんを温かくして食す料理」のことです。今年は、全乾麺(全国乾麺協同組合連合会)が、冬場のそうめん普及策として、2月5日を「煮麺の日」として制定。暑い夏場は、そうめんは放っておいても売れますが、寒い冬場は、冷たいそうめんは、なかなか売れない。そこで手を替え品を替え、冬場の需要喚起策として、「煮麺の日」を制定した次第です。制定日の理由は、単純に語呂合わせで、「にゅうめん」⇒「に(2)」+「う(中国語の5)」となりました。

ちなみに香川県生麺事業協同組合(現在のさぬきうどん協同組合)は、1980年に7月2日を「うどんの日」として制定しました。通常7月2日は、「半夏(はんげ)の日」といい、夏至から数えて11日目に当たります。忙しかった麦刈りや田植えを終え、やっと一息ついて、骨休めができるときです。そして香川では「半夏のうどん」といって、半夏にうどんを食する習慣があることから、この日を「うどんの日」として制定したわけです。ところで1980年というのは、コナモン記念日としては、歴史が一番古く、うどん県民としてもとても嬉しいです。

②小麦価格12年ぶりの大幅アップ(19%)
輸入小麦の買付価格19%アップの大幅上昇。この要因としては、①年初来の米国産、カナダ産小麦に対する中国の旺盛な買付け需要による国際価格の上昇、②アメリカ北部及びカナダ南部の小麦産地における高温乾燥により作柄が悪化し、価格が高騰、③太平洋エリアで輸送需要が回復傾向になったことによる海上運賃の大幅上昇があります。詳細は農水省のサイトをご覧ください。

この結果、小麦粉価格は、業務用中力粉(うどん用)が12月20日より、345円(25kg当り)の大幅値上げとなりました。特に今回の値上げは小麦粉だけにとどまらず、食用油、包材なども大幅値上げが次々に発表され、うどん県のうどん店にとっても、うどん価格値上げ必至の状況となっています。

③小麦粉の需要3.1%
同じく農水省の調べによると2020年度の小麦粉生産量は、448.2万t(前年比3.1%減)と3年連続での減少。18年度、19年度は人口減少による自然減ですが、20年度は自然減に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃し、減少率もこれまでの1ポイント前後だったものが3.1ポイントもマイナスとなりました。一方、お米の消費量も近年は毎年10万トンずつ減少していますが、直近1年では20万㌧減少し、これもコロナの影響によるもので、今年は700万トンを切ると予想されています。

しかしよく考えてみると小麦粉やお米は、基礎的食材なので、本来は景気には影響されず、その消費量は人口に比例するはずです。にも拘わらず、大きく減少した理由は外食産業におけるフードロスの減少が一因と考えられています。

【香川県の10大ニュース】
さて次は2021香川の10大ニュース。【#5県庁舎東館が国の重要文化財に指定】は嬉しいニュースでした。東館は丹下健三氏の代表作の一つで、1958年に落成。一方【#10小豆島・草壁-高松フェリー休止】は、とても残念。