#820 さぬきうどん一杯の価格は279.6円@2022年
地元紙(四国新聞)ではうどんの価格調査を定期的に行っています。今回の調査は2019年10月の消費税アップ以来、3年ぶり。改めて説明するまでもなく、今回は①ウクライナ危機②原油高③円安が要因となり、うどん県のうどん価格も上昇を続けています。①ウクライナとロシアの両国は、世界の小麦輸出量の30%を占めるため、両国からの輸出が滞れば小麦価格が上昇するのは当然です。
ただ実を言うと、この影響はまだ小麦粉価格には反映されていません。よって今後、うどん価格は更に上昇する可能性があります。②原油価格が高止まりしているために、包装資材を始めとするあらゆる価格が上昇しています。③日米金利差が広がることで円安が進み、物価が上昇します。
うどんの価格調査は今回で7度目。うどん県のうどん店は、セルフ・製麺所と一般店の2種に大別されます。価格はもちろん前者の方が安価で、後者はフルサービスなので若干高くなります。2003年と2011年(①と②)の調査では、両者併せて50店舗が調査対象でしたが、その内訳についての説明はありませんでした。一方、2014年以降の調査(③~⑦)については、調査対象がセルフ店・製麺所・70店舗と一般店・30店舗と大きく増えました。2011年の全平均(239.4円)よりも2014年の全平均(234.4円)が若干下がっている理由は、調査対象の違い、つまりセルフ・製麺所が70店舗と大きく増えたことが理由であると推測します。以下2003年~2022年までのうどん価格の推移について、気づいたことを独断でまとめておきます。尚、画像内()の数字は、関連する新着情報の番号です。興味ある方はご参照ください。
【2011年の値上げの理由・・・小麦価格の高騰】
当時の記事をみると、小麦価格の高騰がうどん価格の値上げの原因と断定しています。この頃は干ばつによる世界の小麦生産が落ち込み、国際価格が大きく上昇しました。ただその後ほどなく、小麦の国際価格は平均的な価格に戻りましたが、うどんの価格はそのままでした。尤も小麦価格は元に戻っても、諸経費はアップしているので、仕方のないところではあります。
【2014年の値上げの理由・・・消費税アップ】
この年の値上げは、2014年4月1日に消費税が5%↗8%にアップしたことが原因です。尚、セルフ・製麺所の価格は199.4円でしたので、この年を境に200円以下のセルフうどんは、減少することになります。
【2019年の値上げの理由・・・消費税アップ】
値上げの理由は、消費税が8%↗10%にアップしたことです。前回の消費税アップ時(2014年)には、一般店は我慢しましたが、今回は形態を問わず大幅アップとなりました。最新のうどん価格は、セルフ・製麺所が224円、一般店が339円、そして全平均が258円となりました。
【2022年の値上げの状況】
前述したように、今回は3つの要因が重なり、大幅アップとなりました。また従来の値上げと異なる点は、値上げがこれで終了したわけではなく、引き続きの値上げが予想されることです。小麦粉もさることながら、それ以上に食用油、食肉の値上げが大きく、「肉うどんは売れば売るほど赤字」というお店も多く、どこのお店も対応に苦慮しているようです。多少値上がった感のあるうどん県のうどんですが、相変わらずコスパは良好で、お店によっては「この価格で本当に経営できるのか?」と感じる良心的なお店もあります。以下、今回の結果を簡単に総括すると、次のようになります:
(1)100店舗の平均価格は、前回より21.3円上がり279.6円。
(2)2019年以来、69店舗が値上げを実施し、内9店舗は2回の値上げを実施。
(3)セルフ店は21.3円上がり、244.9円(個人的には、セルフかけうどんは220円・・・)。
(4)一般店の21.3円上がり、360.5円(個人的には、実際よりも高く感じます・・・)。