#829 うどんテイスティング・・・早ゆで讃岐うどん

うどんの調理例画像が必要になり、とりあえず撮影にチャレンジ(もちろんスマホ使用)。使用したうどんは「早ゆで讃岐うどん」。おつゆは、「いりこ」だけのシンプルな出汁を使用。一般には煮干しといいますが、うどん県では「いりこ」といいます。またうどんは冷水で締めずに「釜抜き」、つまりゆでている鍋から直接どんぶりに抜き取り、かけつゆをかける「釜かけ」うどんにしました。またトッピングは冷蔵庫に残っていた「まいたけ」です。

【原材料】
イリコ(煮干し)6尾
醤油・みりん・食用酒・各大さじ3
ホワイトまいたけ お水適量 青ネギ 早ゆで讃岐うどん90g

【うどんのゆで方】
うどんのゆで方には、ゆでためんを①冷水にさらさずそのまま器にとる方法と、②一旦冷水で締める2通りがあります。①には「釜抜き」、「釜あげ」などがあり、②は「ざる」を始めとする一般メニューのおうどんです。①は器にとった後も、予熱によりでんぷんの糊化(α化)が進むため、②と比較するとゆで時間が短くてすみます。また①の方が、手間が省けて簡単です。今回は、①を選択したので、ゆで時間は3分でした。
両者は食感においても違いがあります。①は水で締めないのでうどんの「もっちり感」が強調されるのに対し、②はコシの強いしっかりとした食感になります。

【ゆで時間について】
「早ゆで讃岐うどん」は標準ゆで時間は3~4分です。「釜抜き」であれば3分、また冷水で締めるザル、冷やしうどんなら4分が目安です。通常の乾めんと比較してゆで時間が短い理由は、めんの厚さをできる限り薄く加工しているせいです。通常タイプの乾めんうどんはしっかりとした食感で良いのですが、ゆで時間が15分前後と長いのが欠点です。そこで時間短縮は大きなメリットがあると考えています。

【盛り付けについて】
今回の目的は調理例画像ですので、どうしても盛り付けが重要になります。本来であれば、まいたけをキチンと並べ、うどんももう少しきれいに見せたいところですが、結果は雑になってしまい残念でした。丁寧さを心がけたつもりですが、早く食べたいという気持ちが勝り、画像の通りになりました。またライトの反射も気になるところなので、次回は改善したいと思います。

 

【試食結果】
うどんつゆはイリコだけと至ってシンプルな出汁ですが、雑味のない素直なあっさりとした仕上がりになりました。また香川県産小麦「さぬきの夢」を使用した「早ゆで讃岐うどん」もこのシンプルなうどんつゆに良く合いました。

【イリコ】
イリコといえば、今週の日経新聞に西川きよしさんが少年時代を振り返り、「母の手作り弁当は、いつもダシを取った煮干しをしょうゆとサッカリン(人工甘味料)で甘辛く煮たものが主菜。級友の弁当は魚からつくった桜でんぶをご飯の上に広げてあったり、卵焼きが入っていたりと、豪華だった」と回想されていました。また本場さぬきうどん協同組合の初代理事長を務めた高橋繁一氏がうどん屋さんになった当時は、「出しがらのイリコを軒びさしに干し、乾くとそれでもう一度だしを取り、それを再度干し、生醤油をかけておかずにした」といいます。飽食の時代といわれる現代からは、想像もできませんが、昔はそんな時代でした。食材は大切に使用すべきと改めて肝に銘じるところです。