#838 遅れてやってきた青春漫画

昨日のうどん県の感染者数は1,17人と3ヶ月ぶりの大人数でした。これで累計感染者数は180,039人となり、単純に割り算をすると5.3人に1人が感染したことになります。道理で身近なところでも感染者が次々と確認されるはずです。今日辺りから冬型が強まる予報ですので、風邪、インフル、オミクロン等に感染しないようお気をつけください。さてイラスト担当者の新着情報をお届けします。
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アニメや漫画が大好きな人は多いですが、私はその類にはめっぽう弱いです。幼い頃はセーラームーンを観ていたようですが、特にハマることもなく大人になりました。そんな私が前の職場で仲良しだったSちゃんとお昼休みの散歩途中、ある本屋さんに立ち寄りました。人並みに漫画好きのSちゃんに私は「全然漫画を読まないんだけど、心が熱くなるような漫画を何か紹介してよ」とポロッともらしました。すると数週間後、Sちゃんは私の誕生日に、一冊の漫画をプレゼントしてくれました。それが少年漫画のバイブルの1つでもある「スラムダンク」でした。

なんだか自分が漫画を持っているのが不思議でしたが、帰宅後早速読んでみると、驚くほどに物語の世界に吸い込まれました。知らない人のためにざっくり説明すると、舞台は神奈川県立湘北高、不良だった主人公・桜木花道がバスケットボールを通して成長する過程を描いた作品です。またキャラクター性のあるチームメイトも共に苦難や葛藤を乗り越えるストーリーです。週刊少年ジャンプに連載がスタートしたのが1990年、なんと私がまだ生まれる前のことです。

第1巻は30年以上前の作品なので、絵には若干の古さ(良い意味で)がありますが、すぐに作品の世界に引き込まれました。当然1巻を読み終わるとすぐに本屋さんにダッシュです。帰りの電車で読んでいると思わず感動シーンで電車を降りることができず、やっと降りた駅のホームの椅子でもまだ読み続け涙を流しました。またあるとき山手線の車中で読んでいると、原宿駅から乗ってきた大学生らしき男の子たちも、気づいたのか「スラダンいいよなあ」と言うのを聞いて嬉しくなりました。読者層の厚さは計り知れません。

そんなスラムダンクが今冬、とうとう映画されることが決定しました。当初、映画の声優陣がアニメ版から一新されたことが知らされるとブーイングの嵐で、CG描写ということもあり前評判は正直芳しくありませんでしたし、映画予告をみても、内容がさっぱりわからずじまいで、関心はいまいちでした。「観たいけどすぐには行かなくても良いかなあ」位な感じでしたが、スラムダンク好きの友人が映画に誘ってくれたので、なんと公開初日に早々と観に行ってきました。

なぜか前日は全く眠れず、最初にCMが流れている段階で既に「眠いなあ、折角みにきたのに面白くなかったらドンマイだなあ」なんて思っていました。ところがどっこい、そんな不安は映画が始まるや否や吹っ飛びました。なんだか思い出している今も、思わず泣きそうになります。月並みですが本当に素晴らしい作品でした。

漫画で見た主人公たちが実際に動いてバスケットボールをしている姿にまず感激。またCGや描写も手に汗握る臨場感たっぷりでした。ストーリーについては、漫画の内容と新しく映画のために書き下ろした内容が半々といった印象でした。またこれまでフォーカスされていなかったキャラクターの隠された背景や葛藤・成長が厚みを持って描かれていて感激。試合結果については既に知ってるはずなのに、あまりの迫力に思わず「あれ?これもしかして負けちゃうパターン?」と思ってしまいました。

ネタバレするので詳細は割愛しますが、私の周りもみんな異口同音に「みて良かった!」との感想です。スラムダンクを知っている方はぜひ迷わずみて感動してください。友人も映画に圧倒され「ワールドカップを応援してるくらいには精神的に疲れた・・・」と疲労困憊。しかし映画館を出ると、まだ休日はこれからだぞと言わんばかりの外は快晴でした。良い意味でどっと疲れる映画なので、「1日の終わりに、みたら後は帰るだけだよ~」位のコンディションでみに行くのがお勧めです。