#861 そうめんサミット2023 in 小豆島・・・そうめんは宇宙だった!

#859にて「そうめんサミット2023 in 小豆島」のご案内をいたしました。事前の週間天気予報では、「くもり」や「傘」マークばかり並んでいたので、ハラハラ・ドキドキでしたが、神風が吹き、台風を東方に押しやってくれたのか、当日はなんとピーカン、最高のそうめんサミット日和となりました。初日(6月3日)は、「そうめんを学ぶ日」、二日目(6月4日)は「そうめんと遊ぶ日」の二部構成。そこで初日の部に行って参りましたので、以下そのご報告です。

【①第1回全国そうめん鑑評会】
そうめん業界初の取り組みとなる「全国そうめん鑑評会」は、単なる業界の技術研鑽・品質向上だけが目的ではありません。社会が豊かになった結果、巷には美味しい食品が溢れています。食品の多様化の中で、相対的に縮小していく「そうめん市場」をいかに回復させ、そうめん文化全体を押し上げるかが重要なテーマです。

午後からの表彰式では、小川淳也衆議院議員がご挨拶の中で、興味あるそうめんレシピをご披露されました。「これはまだどこでも言ったことがないのですが・・・」と前置きされた後、「そうめんを1分ゆがいて、そのまま丼に抜き取り、卵と生醤油をかけると、実に旨い!」っと。つまり簡単にいうと釜玉うどんの素麺バージョン、いわゆる「そうめん釜玉」です。皆さんも是非いちどチャレンジしてみてください。

【②日本三大そうめん食べ比べ
そうめんサミット本会場2F で、播州(兵庫)、三輪(奈良)、小豆島(香川)の「日本三大そうめん食べ比べセット」が無料提供されていましたので、いながらにして三大手延素麺を堪能しました。皆さん異口同音に「どのそうめんが美味しいですか?」と聞かれますが、同じく異口同音に「どれも美味しい!」との答えが返ってきました。ちなみに三大産地の手延そうめんには、次のような説明がありました:

「揖保乃糸(兵庫県)」
揖保乃糸は、兵庫県たつの市でつくられているそうめんです。500年の歴史を有しております。「揖保乃糸」は、兵庫県手延そうめん協同組合が製造しているそうめんで、10月から翌年の5月までしか生産されません。厳選した小麦と赤穂の塩を原材料として使用し、長年に渡って受け継がれてきた独自の伝統技法で作られています。独自のコシや歯ごたえがありながら舌触りはなめらかで、ゆで伸びしにくいという特徴があります。

「三輪素麺(奈良県)」
そうめん発祥の地と言われている奈良県桜井市の三輪地方を中心に生産されているのが、三輪そうめんです。その歴史は、1300年近くにまでさかのぼると言われています。奈良時代の遣唐使によって、小麦栽培や製麺方法が伝えられたそうで、歴史の深いそうめんです。三輪地方では、毎年2月に大神神社で、そうめんの相場を決めるための卜定祭(ぼくじょうさい)が開催されます。三輪そうめんは、「細きこと糸のごとく白きこと雪のごとし」と言われており、その細さと強いコシが魅力のそうめんです。

「島の光(香川県)」
小豆島そうめんの起源は、約400年前に伊勢参りに行った島民が、三輪そうめんの作り方を学び、小豆島独自のそうめんを作り始めたそうです。極寒期間に天日干しをすることで、熟練の生産者により限定生産されています。このような起源を持つ小豆島そうめんの最大の特徴は、ごま油風味です。麺をのばす際に、ごま油を使用しているので、独特の風味があるのです。そのため、ほんのり黄色がかった色をしており、口に入れるとごま油の風味が口いっぱいに広がります。

【③公開討論会・・・そうめんが生き残るために~そうめんの未来を切り拓くヒントとは?】
「そうめんはメニューが少ないのが欠点では?」との問に対し、東京のそうめん専門店オーナーは、「シンプルであるがゆえ、色々なアレンジが可能」と回答。実際、「めんたいクリームそうめん(温)」が人気メニューだと聞いてびっくり仰天。また渋谷、日比谷、恵比寿と各店舗それぞれ客層が異なるとも。その他、業界が抱える深刻な後継者不足問題、食品衛生管理の国際基準であるHACCPなどについても真剣な議論が交わされました。結論:「そうめんは、宇宙だった!」。