#880 物価上昇によるうどん消費への影響等(by百十四経済研究所)

㈱百十四銀行(ひゃくじゅうしぎんこう)は、香川県高松市に本店を置く地方銀行です。国立銀行条例に基づき、1878年(明治11年)11月1日、114番目に設立されたので、百十四銀行となりました(ナンバー銀行)。今回はその経済研究所による「うどん価格レポート」について、気になった部分を独断でまとめ、その後に感想を述べます。

最近は原材料価格の上昇(コストインフレ)だけでなく賃上げに伴う人件費等のコスト上昇も続いており、これがうどん県民のうどん消費にどのような影響を及ぼしているか、アンケート調査を実施しました。調査期間は2023年8月31日~9月4日。調査対象は、香川県在住の20~69歳の男女。インターネットにより455人の回答を得ました。

【①うどん店での外食回数】
うどん県民の年間平均うどん店での外食回数は48.34回となり、昨年(44.81回)よりも、3回以上増加。ほとんど毎日は、10.1%程度。

【②外食時の支払金額】
外食時の平均支払金額は503.96円となり昨年(475.10円)よりも、30円程度増加。

【③年間支出額】
年間支出額は、24,977円となり昨年(21,623円)よりも3,354円増加。

【④消費者物価指数の推移】
消費者物価指数は、2020年を基準としたとき、21年8月には各々100.4と100.2でほぼ同水準だったが、22年8月には104.1と103.4と差が0.7と少し広がり、23年8月には110.4と107.9となり両者の差は2.5ポイントと大きく広がった。

【⑤かけうどん許容上限価格】
かけうどん価格の許容上限価格は352円となり昨年(317円)より35円も上昇。

【感想】
この1年は、ウクライナ侵攻に起因するエネルギー価格の高騰や円安の影響で、コストインフレが進み、物価が急上昇しました。個人的な感覚では物価上昇率はとっくに10%を超えていますが、ニュースではまだ2%に届いていないと至って控えめな表現に終始し、一庶民としては理解に苦しみます。実際、うどん一つをとってみても、③年間支出額は115%(昨年比)と10%以上の大幅アップです。

⑤かけうどんの許容上限価格の平均は直近で352円となっていますが、個人的な感覚では300円を超えると「高いな!」と感じます。ちなみ個人的に普段利用している製麺所、セルフ店、フルサービス店のかけうどん価格は、それぞれ200円、260円、290円ですが、近々値上げを検討しているお店もあるようです。

②外食時の平均支払い金額は503.96円となり、とうとううどん県においてもうどん代金は1コインでは足りなくなってきたようです。もっとも「かけ大+てんぷら1個」ならお釣りがくるので、皆さん結構色々注文されているようです。また①うどん店での外食回数において、「ほとんど毎日は、10.1%」、つまり「10人に1人が、ほぼ毎日うどん」という数字は、意外に低いと感じます。うどん県民なら、せめて半分くらいは毎日通っているのかと思っていましたが・・・。

2020年を基準とした消費者物価指数では、2023年8月には、うどん外食の107.9%に対し、一般外食が110.4%となり両者の差は2.5%となり、うどん業界はかなり頑張っていることがわかります。ただでさえ薄利多売のセルフうどん店ですが、さらなるコストダウンを図り、なんとか値上げを最小限に抑えようという努力が、この消費者物価指数からも理解できます。よって今回のうどん価格に値上げについては、この辺りの事情をご賢察いただけるとありがたいです。