#898 アカペラサークル
うどん県で生産される小麦は、これまで「さぬきの夢」一択でしたが、昨年よりパン用硬質小麦「はるみずき」の耕作も始まりました(#872)。これに伴い、香川県では「令和5年度県産小麦100%でつくるさぬきうどん製麺研修会」を開催します(対象は、県内うどん店や製麺事業者)。また機会がありましたら、この研修会についてもご報告したいと考えています。さてイラスト担当者による新着情報をお届けします。
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先日、大学時代の友人とプチ同窓会がありました。三人とも違う大学でしたが、アカペラ繋がり故、音楽の話で大いに盛り上がり、溜飲が下がりました。実は、大学時代に一年間だけ他校のアカペラサークルに所属していたことがあります。いわゆるインカレサークルです。
アカペラに興味を持ったきっかけは、遡ること高校時代、夏になると放送されていたアカペラコンテストでした。「人の声だけでこんなに厚みがでるのか!・・・」、「楽器の音色まで再現できてまるでバンドみたい」という印象と、何よりも「仲間やチームで一致団結!」的な熱さが、とても魅力的に感じました。そんなこんなでいつかはアカペラバンドを組みたいと思っていました。それから月日が経ち大学生になりました。入学と同時に自分の大学のサークルを一通りチェックしたもののアカペラサークルはどこにもありません(音楽大学でしたが!・・・)。
一年生時は環境に慣れることに必死で、サークル活動については気にとめませんでした。二年生になり履修科目が若干減り、気持ちに余裕がでてきた私は、ある日一緒に香川の小中学時代の同級生が通うW大学へ遊びに行きました。ちょうど新歓活動に遭遇し、偶然アカペラサークルの勧誘が目がとまり、そこからサクサクと話が進み、僅か1年間でしたが念願のアカペラバンドを組むことができました。
活動は週2回。夕方からW大学内の学生会館で2~3時間の練習です。編成次第ですが、通常バンドは5〜7人で組みます。私の場合はランダムに決められた6人で組みました。まずは先輩バンドが付いてアカペラの基礎を教えてくれます。色んな進め方がありますが、私の周りでは①自分の声の高さを知り、パート決め、②発声練習、③実際に音取りしながら楽譜を見て歌ってみる、④歌えるようになってきたら他パートとのバランス調整や音楽としての表現を高めていく、⑤ライブで発表という流れです。
細かくなりますが、基本的なパート分けは、メインの旋律を歌うリードボーカル、高い音を担うファーストコーラス、中くらいの高さを担うセカンドコーラス、低い音を担うサードコーラス、そして一番低い低音を担うベース、そこにリズムを打つポイスパーカッションの構成です。一年を通して数バンド組みましたが、私は主にセカンドボーカルを担当しました。絶対音感のおかげで、周りのどんな音にも引っ張られず、自分がだしたい音をだすことができたのはラッキーでした。短い間ではありましたが、バンド練習に費やした時間は、今となっては貴重な青春時代の1ページです。
そして話は現在に戻ります。アカペラ友だちと会った翌日、テレビで例のアカペラコンテスト番組があったので、友だち同士ラインで連絡を取りながら番組をみました。そこで感じたのが、年々アカペラも音楽的に複雑で難しくなり、技巧派が高評価される傾向にあると感じています。昭和、平成の時代にはメロディが分かりやすく誰もが気軽に口ずさめていたのが、最近はメロディが複雑化し過ぎているように感じます。とはいうものの、学生時代に年配の方々から同様の感想を聞いたので、この違和感は世代間ギャップに依存するのかもしれません。
「アカペラの魅力は?」と聞かれたら、純粋にみんなで音楽の楽しさを分かち合えることでしょうか。体育系サークルも同様ですが、皆が目的意識を共有しながらゴールを目指すことで連帯意識が生まれます。楽しみ方や目指すものは人それぞれですが、私にとってのアカペラサークルは、短いながらも貴重な音楽経験の一つでした。