#941 うどん県人口は91万5250人@2025年1月1日

香川県統計調査課によると、2025年1月1日時点の県人口は91万5250人となり、これは1年前より8504人の減少となりました。これは記録が残る1954年以降、2021年(9022人減)に次ぐ過去2番目に大きな減少幅です。

主要な市町の人口は、多い順に高松市40万9038人 > 丸亀市10万7678人 > 三豊市5万7852人 > 観音寺市5万4459人 > 坂出市4万7911人 > さぬき市4万3884人 > 善通寺市2万9965人 > 三木町2万5983人 > 東かがわ市2万5859人・・・と続きます。17市町すべてが前年より減少し、今年は初めて三木町人口が東かがわ市人口を逆転。また最も少ないのは地中海美術館で有名な直島町の2947人でした。

人口増減については、「自然増減」と「社会増減」の2種類があります。前者は、出生者数から死亡者数を引いた数、後者は転入数から転出数を引いた数です。2024年の自然増減は、出生数が過去最小の5175人に対し、死亡数は過去最多の1万3801人となり、自然増減は8626人減と過去最大の減少幅になっています。今後当分は、出生数は減り続け、死亡者数は増え続けるので、自然増減については、さらに減少幅が大きくなります。

一方、社会増減は、転入が3万2692人に対し、転出が3万2570人となり差し引き122人増となりました。よって自然増減と社会増減を合計すると、前述の8504人の減少となり、これはうどん県から毎日23人ずつ蒸発している勘定になります。県人口のピークは2000年1月1日の103万928人(香川県人口推移表)でしたので、現在は25年連続減少中、そして今後もさらに減少が続くことになります。これは出生数が増えないために仕方ないことです。

香川県人口動態推移表」をみると、社会動態欄には「社会増減」と「県外社会増減」の2つが表記されていますが、この違いについて簡単に説明します。前者は各市町における1年間の社会増減を合計した数字です。例えば坂出市に着目すると、岡山県や高松市から坂出市に引っ越すと転入となり、坂出から丸亀市や東京都に引っ越すと転出となります(つまり県内からの転入や県内への転出を含む)。よって各市町における1年間の社会増減を合計した数字が、香川県としての社会増減(令和6年は122)となります。一方「県外社会増減」は、文字通り県外への転出もしくは県外からの転入のみに限った数字です。よって令和6年であれば、社会増減による転入が32570であるのに対し、県外社会増減の転入が21330であるので、両者の差の11240は香川県内からの転入ということになります。

さて自然増減数がジリ貧なのに対し、社会増減はプラスなので健闘しているように見えますが、詳細をみるとそうでもないようです。右画像は県外社会増減が多い地域を選んでみました。すると転出先は東京、大阪といった大都市が多く、また転入先は国外からが多く、結果として両者が相殺していることがわかります。さてここでいう「国外からの転入」とは、その多くが東南アジアからの技能実習生であると推測します。現在、全国で年間200万人の技能実習生が働いていることを考慮すれば、香川県への国外からの転入者の多くは技能実習生であると考えるのが妥当なところです。

実際、香川県でも多くの技能実習生がコンビニ、工場、建設現場、農業現場で活躍しています。最近は弊社近辺でも、耕作放棄地を利用したレタスやブロッコリーなどの野菜の栽培が盛んですが、従事しているほとんどが技能実習生です。真夏の炎天下での作業、真冬の早朝からの取り入れ作業、雨天での作業などを黙々とこなしていますが、技能実習生以外にこういった厳しい作業を代替こなせる代替人材が容易にみつかるとは思えません。労働力不足は、今後さらに深刻になり、今や技能実習生の存在なくして私たちの生活は成りたちません。セルフうどん店といえばうどん県の専売特許ですが、将来的にはガソリンスタンド並にさらなるセルフ化が進むかもしれません。