#950 伊豆熱川旅行②・・・大室山

「乾うどん・そば」の2020~2024年都市別ランキングによると、直近2年の首位は高松市であるのに対し、それまでの3年間は秋田市でした。ここでの「乾うどん・そば」は、そうめんやひやむぎも含む項目です。よって秋田市は「稲庭うどん」、高松市は「乾うどん、小豆島そうめん」が消費額を引き上げているようです。さてイラスト担当者による新着情報をお届けします。
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昨夜はHが早々に寝込んでしまったので、残った私とKは、学生時代を懐かしみながら明け方まで語り明かしました。まるで修学旅行の生徒のように夜更かしし、やっと眠りについたかと思った矢先、スマホのアラームが容赦なく鳴り響きました。さらにLINEには、すでに早起きしたHから「貸切風呂からの景色は最高だよ〜」というチャットとともに、美しい朝日の写真が届いていました。眠い目をこすりながら、私とKも朝風呂へと向かい、眠気を吹き飛ばして1日がスタートしました。

昨日訪れたバナナワニ園がすでに旅のハイライトになっていたこともあり、今日はノープラン。ですが、KとHがあっという間に予定を組んでくれました。まずはブランチを兼ねて立ち寄ったのは、木工家具や雑貨を扱うショップとカフェが一体化した素敵なお店。店内は木の香りに包まれ、穏やかな時間が流れていました。個人的には、可愛らしいスツールがとても気に入ったのですが、いまひとつ使用シーンが想像できず、今回は購入を見送りました。

カフェでドリンクを楽しんでいると、店員さんから「良ければ試作品を召し上がってみませんか?」と声をかけられ、思わずデコラティブなパンケーキをムシャムシャ。するとその様子が、まさかのSNSにアップされてしまいました。甘いパンケーキでお腹が満たされたあとは、腹ごなしも兼ねて、旅の最後の目的地「大室山」へ向かいました。

正直、ただの見晴らしのいい山だろうと油断していたのですが、これが完全に予想外の“ニュータイプ”な山でした。まず、二人がけのリフトに乗って山頂を目指します。スキー未経験の私には、このスキー場スタイルのリフトが想像以上にスリリング。体が剥き出しのまま、ぐんぐんと高さを稼いでいく様子に少し冷や汗をかきました。

およそ10分で山頂に到着。そこからの景色は、まさに圧巻でした(写真参照)。案内板によれば、大室山は約4000年前の噴火で誕生し、伊豆東部火山群の中で最大のスコリア丘だそうです。火口から噴き出したスコリア(火山弾の一種)が周囲に降り積もり、噴火を繰り返しながら裾を広げ、プリンのような独特の山容ができあがったとのこと。とはいえ、実際に目の前にすると、その姿はまるで巨大なクレーター。火口の縁に沿って左回りに歩く散策路では、直径300mほどの火口の反対側を行く人々の姿が小さく見え、不思議と「人の一生」を眺めているような、奇妙な感覚にとらわれました。歩き続けるうちに、もう戻れなくなるのではという妙な不安にも襲われ、この不思議な感覚は、実際に訪れて体験してこそ味わえるものだと思います。ちなみに、火口底にはなぜかアーチェリー場が設けられていて、そのアンバランスさもまた、大室山の不思議さを一層際立たせていました。

帰りのリフトでは、怖がるHをなだめながら無事麓へ。その後も安全運転を心がけ、レンタカーも無事返却しました。(実は貸出時、「最近事故が多いので気をつけてください」と言われ、出発からずっと緊張していたのです。)名古屋方面へ向かうHを見送り、私とKは何事もなかったかのようにお喋りに夢中になり、気がつけばもう東京駅。それにしても、大室山は本当に不思議な山でした。