2012年3月のお知らせ

週末、NHKラジオ第1から放送される「地球ラジオ」という番組を楽しみにしています。国内・海外から、その土地で住んでいる方・旅行している方たちからの情報・お便りを紹介する番組です。普段は東京のスタジオからの放送ですが、2月18日・19日はベトナムのハノイからの公開生放送でした。

ベトナムは南北に細長い国。今の季節、北に位置する首都のハノイは10℃、中部のフエは20℃、南部のホーチミン(旧サイゴン。1975年のサイゴン陥落により、事実上ベトナム戦争が終わり、名前が変わりました)は30℃と、気温はずいぶん異なります。番組は、世界井戸端会議・世界まるごと質問箱・・など、興味深い話題がいっぱいです。

「僕たち わたしたち 元気だよ!」というコーナーでは、世界中の日本人学校で学ぶ子どもたちの作文が読まれます。この日、ハノイ日本人学校の小学生が作文を読みました。ハノイ日本人学校は、平成8年に開校。「優しく 賢く たくましく」をモットーに、バナナの木々が実っている校庭で260人の小・中学生が学んでいます。

4年生の安部里歩さんの作文から・・「ベトナムの小学校との交流会があります。言葉は通じないけれど、みんな楽しんでいます。それは、心が通い合っているからだと思います。1週間に1時間、ベトナム語を勉強します。バンテンラージ。ベトナム語で、あなたの名前は何ですか?」。6年生の鳥取真帆さんの作文から・・「修学旅行で、飛行機で2時間、ホーチミンへ行きました。ベトナム戦争を理解することが目的です。戦争証跡博物館を訪ねました。戦争は2度と繰り返してはいけないと、思います」。子どもたちの素直な感性で語られる作文が、私は好きです。子どもたちが海外で、たくさんの事を経験し、「たくましく」成長している印象を受けます。子どもたちの将来が楽しみです。

ベトナムで無償医療活動に携わっている眼科医の服部匡志さん。ラジオから流れる服部さんの「声」はおおらかで、誠実な人柄が伝わってきます。しかし、たいへん厳しい現実に向き合っていると思います。10年前、学会で知り合ったベトナム人医師が「手術を受けられずに、失明する貧しい患者が多い。助けてほしい」という言葉がきっかけで、ベトナムでの医療活動が始まりました。ベトナムでは、強い太陽の日差しのもとで、長時間の農作業に従事するために、白内障になる人が多いそうです。

服部さんは日本各地の病院で働き得た報酬で、手術治療具を揃え、ベトナムと日本を2週間ごとに往復する生活。時には、舗装されていない砂ぼこりの道を、5時間かけて車で走り、医療に出かけます。「まったく見えない人に、光がよみがえる」瞬間が、服部さんの活力の源だそうです。今後の目標は、「患者を家族の一員としてみなし、心から患者と接する精神を持つ若手医師を育てること」だと仰っています。地球ラジオの番組は、インター・ネットでも聴くことができます。

1980年代、アメリカでベトナム出身の「ティン」という青年に会いました。ある日、彼はアメリカに来た経緯を話してくれました。「100人の若者が、小さな船に乗り込んでベトナムを脱出したんだ。1カ月ほど漂流した後、日本の貨物船が僕らを発見。船員の人は、最初にコカ・コーラ缶を僕にくれた。僕の人生で、最もおいしいコーラだったよ」と、(私にとって想像できない)厳しい体験を、微笑みながら話してくれました。ティンの心の中・瞳の中には、いつもベトナムの情景が在りました。

3月のお休みは 17日(土曜日)、20日(春分の日)
   それと日曜日です。

桜の季節、待ち遠しいですね。おからだ 大切になさって下さい。

木下製粉株式会社  平成24年3月1日