2012年11月のお知らせ

普段は閉ざされている、近所の小さな神社。ある日曜日、神主さんが橙色の装束に身を包み、本を読んでいました。「あの~、今日は特別な日ですか?」。「社日さんと云うて、春と秋の年に2回、村の自治会の人々が、土地の神様を祀りに来る日ですよ」。自然の恵みと大地、私たちの生活は村の神社と密接に結び付いています。

社内旅行で訪れた京都。今ごろは、至るところ、紅葉でいっぱい・・と想いを馳せています。今回、楽しみのひとつは、「トロッコ列車に乗りたい!」でした。平成元年3月、山陰線の複線電化に伴い、旧山陰線の嵯峨嵐山駅と亀岡駅が廃線となりました。保津川渓谷に添い、蛇行して走る地形が廃線の理由でした。しかし、四季折々の渓谷の自然美を活用するために、平成3年、「嵯峨野トロッコ列車」が誕生しました。

トロッコ嵯峨駅とトロッコ亀岡駅までの約7kmを25分で結びます。平均時速25km。ゆっくりと自転車で走る程度の速さです。ピーッ!ピーッ!!トロッコ列車がホームに入って来ました。気持ちが「わくわく」してきます。ふと、ホームに視線を向けると、(秋田県の「なまはげ」のような)長い髪のお面をつけた人がいます。びっくり!後で解ったことですが、トロッコ列車の車掌さんでした。ユーモアに富んだアナウンスに、車内は笑いであふれ、列車が動きだすと、心地良い風が車内に流れてきます。

トンネルに入ると、会話が聞き取れないほどの騒音に包まれます。オレンジ色の電球が、薄暗いトンネルの中であたたかく輝いています。列車は、時おり景勝地点で一時停車します。車掌さんの歌声で締めくくられた、楽しいトロッコ列車の旅。小学校の遠足を思い出しました。

翌日は、「保津川下り」。朝10時に上流の亀岡にて乗船。約30人の乗客と、3人の船頭さん。船は突き出た「岩」すれすれに近づいて、進んで行きます。川はゆったりと流れているのかと思えば、急流になったり・・。「わ~っ」と大きな歓声が上がります。嵐山の終着点に近づくころ、売店を営んでいる船が近づいてきました。メニューは、わらび餅・おでんなど・・。いろんな商売があるものだと感心しました。

川の流れに沿って、私たちの船も流れているのに、売店の船は、私達の船に「ぴたっ」と寄り添っています(不思議です!?目の錯覚!?)。私達の船と、売店の船は紐(のようなもの)で結ばれ、エンジンで進む売店の船と一緒に、川を下って行きます(この間、船頭さんにとって唯一の休憩時間です)。すごいアイディアです。

旅の終わりに、東福寺を訪ねました。奈良の「東大寺」と「興福寺」の二大寺にちなんで名づけられ、1236年に完成した禅宗寺院です。四方に造られた「方丈庭園」のひとつ、「北庭」は杉苔と敷石が市松模様に造られたシンプルな庭です。紅葉の季節、寺社内の通天橋は観光客であふれるそうです。何度も訪れた京都ですが、文化の奥深さを、改めて感じました。

11月のお休み
3日(文化の日)、10日(土曜日)、23日(勤労感謝の日)
   それと日曜日です。

神社の境内から、秋祭りの「お獅子」の太鼓や鐘の音が聞こえてきました。「祭り」と描かれた「はっぴ」を着た若者たちが、本殿に向かって一列に並んで、拝礼。すがすがしい情景です。大人は、子供たちに「もっと、気合いをいれて、太鼓を叩かな、いかんで!」と励ましの声をかけます。ある高校生は、小学生の頃から「獅子舞」の稽古を積んでいるそうです。村に伝わる行事、先祖から子供たちへ伝えていく大切さを感じた晩秋です。おからだ 大切になさって下さい。

木下製粉株式会社  平成24年11月1日