2014年9月のお知らせ
お店に来られたお客さまから、「トマト」を頂きました。「はじめて、フルーツ・トマトをつくってみたんよ」。トマトを丸ごと、かじってみました。「夏の暑いあまさ」が口の中で、じわ~っと拡がります。自然の恵みが口の中で、いっぱいに拡がります。 8月12日の夕暮れ、会社近くの墓地で「お供えのお花」を抱えた多くの人々が行き交っていました。お盆を迎える光景です。
最近、ラジオの一聴者の方のお便りが心に残ります。「幼い頃、私にとってお盆は、怖いイメージがありましたが、今は異なります。逝ってしまった祖父母の心に、会えると思うからです」。実は、私も同じような事を思い始めていました。お盆に、(逝ってしまった)人々との想い出を、想い巡らす季節にしようと・・。
80歳を過ぎても、パソコンやデジタル・カメラを巧みに使いこなしていた叔父。少し、甘かった叔母の卵焼き。バラでいっぱいの庭造りが趣味の叔父は、花束を抱えて会社に来ました。半夏生の日には、「おだんご」を作ってくれた叔母。「お盆」の言葉の起源を、初めて知りました。 仏教のことば「盂蘭盆」の略語で、「先祖や故人を偲び、今日ある自分をかえりみる」というお盆の理念は、長く受け継がれています。「盆暮れ」とか「盆とお正月が一度に来たよう」という言葉使いに見られるように、家庭のみならず、会社にとっても節目となる季節です。日本では、明治6年(1873年)1月1日にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用されて以来、お盆は、ほぼ全国的に8月15日に行われるようです。
幼い頃は、お盆の翌日の夜に、小学校の運動場や寺社の境内にて「盆踊り」が行われました。櫓の周りに円をつくって、音楽にあわせて一連の踊りを繰り返します。露店のおじさんたちの威勢のいい掛け声、露店の淡いオレンジ色の電灯のもとで食べるかき氷。金魚すくい。水が入ったゴム風船。懐かしくもあり、大好きな情景です。 8月15日は、もうひとつの想いがあります。甲子園の高校野球を見ていた時の事でした。試合を中断して、サイレンの音が響きわたります。戦没者を追悼するために黙とうをささげます。私は「はっ」としました。「終戦記念日」であることを忘れていました。友人からのメールは、「平和であること。語り継いでいくことの大切さ。前向きに生きていくことの大切さ。過去と未来を考えさせてくれる日でした。」と書かれてありました。
「白バラの小麦粉で、家で手打ちうどんを作るんや」と、時おり、お店に来られる吉林さん。昭和18年12月、16歳のとき横須賀海軍通信学校に入隊しました。宮古島で終戦を迎え、博多を経由して、香川に帰って来られました。「あの~、広島の近くを通りましたか?」「あ・・、何にもなかった。大きな爆弾が投下されたとは、聞いておったけど・・。それが、どのような爆弾であるかは、知らされんかった」。吉林さんは、腕に残った小さな弾の「傷跡」を見せてくれました。「きらきら」した吉林さんの瞳を見ながら、貴重なお話を語って下さったことに感謝します。
甲子園の高校野球の試合の終了時に、サイレンが鳴ります。高校野球児たちの日焼けした顔に、汗がきらきらと輝いています。微笑んでいる顔、涙で「くしゃくしゃ」になった顔。毎日の練習の積み重ねが思い出されたのでしょう。蝉の鳴き声と、暑い夏の日差しの中で聴く「サイレンの響き」は、様々な想いが重なります。
9月のお休みは、13日(土曜日)・15日(敬老の日)・23日・(秋分の日)そして日曜日です。
赤とんぼが飛びはじめました。気持ちよさそうです。赤とんぼの「はね」って、本当に茜色です。夏の疲れがでてくる季節。おからだ、大切になさってください。