2014年11月のお知らせ

m201411普段は閉ざされている、近所の神社の扉が開かれています。オレンジ色の淡い灯りが微笑んでいます。小学生の子供たちにより作られた「しめ飾り」も、新しくなりました。風が吹くと、しめ飾りから、ほんのりと「(わら)」の香りが流れてきます。秋祭りの季節を迎えました。

社内旅行の続きを、少しお話しいたします。大正13年(1924年)に国の特別天然記念物に指定された秋芳洞を訪ねました。明治23年(1890年)、英語教師として来日したイギリス人エドワード・ガントレット(Edward  Gauntlett)が、明治40年頃から洞内の探検・調査を行い、秋芳洞は初めて海外に紹介されました。ガントレットはラテン語・エスペラント語そしてパイプ・オルガンの普及にも努めました。余談ですが、「恒」夫人は、作曲家、山田耕筰やまだこうさく(赤とんぼ・砂山などを作曲)の姉にあたり、山田耕筰はガントレットから西洋音楽の手ほどきを受けたそうです。秋芳洞の洞くつの長さは8,900m、見学できる長さは1000m。正面入り口と黒谷入口までの高低差は40m。私たちは黒谷入口から、下りながら出発しました。SF映画に出てきそうな、赤・青などの光に照らされた「3億年のタイム・トンネル」を歩きます。

四季を通じて、洞内の温度は17℃と一定。其々の観察場所で、ボタンを押すと、日本語・中国語・韓国語・英語での説明が自動的に流れます。「〇△□・・」。中国語の説明が流れてきました。「中国語の勉強も、だいじやろ~!」と誰かが言います(笑い・・)。正面入り口近くにある「百枚皿」まで来ると、地下水の流れ出る「大きな音」に圧倒されました。人々の「声」が聞こえません。「いつも、こんなに地下水が流れているのですか?」。「いいえ、今日は特別ですよ。ここ数日の雨の影響です」と、ガイドさんが説明してくれました。秋芳洞が「鍾乳洞」として誕生したのは、数十万年前らしい事がわかりました。洞内を歩きながら、自然の「力強さ」を、改めて感じました。ちなみに、イタリア語で鍾乳洞のことを「マカロニ」って言うそうです。思わず、微笑んでしまいました。

日曜日の早朝から、秋祭りの獅子舞の「太鼓と鐘の音」が聞こえてきました。瀬戸大橋を見渡す高台にある「高屋たかや神社」からお神輿おみこしが、神社を離れて御旅所おたびじょまで来ます。夕方、5時頃に御旅所では獅子舞が奉納されていました。獅子舞の後、子供たちへの(餅投げではなくて)「お菓子投げ」が行われました。少しでも、秋祭りを盛り上げようと考え出されました。子どもたちは、「そわそわ・・」。そして、袋にいっぱいになったお菓子を持って、「にっこり」。ふと、ある情景と重なりました。アメリカでは10月31日に「ハロウイーン」という、秋の恵みを祝い、悪霊を追い払う宗教的な意味合いを持つ行事がありました。今日では、子供たちが仮装して、「お菓子をちょうだい」と言いながら近所の家を訪ねるという、楽しい一日です。

「秋祭り」は、お米が無事に収穫できたことを神に感謝する行事。お世話をされている方が、「以前は、たくさんのお店が出て、賑やかなお祭りやったんやけどな・・」と、ポツリと言われました。高校生らしき男の子は、獅子舞を見ながら両手を動かしています。お獅子の振り付けを覚えようとしているようです。「高屋町」の小さな秋祭りは、獅子舞・(武士の参勤交代の名残りである)(やっこ)・鼓笛隊の演奏・子供みこしが繰り広げられます。幼い頃から見慣れていた秋祭り。この小さな「秋祭り」を子供たちに伝えていかなければいけない・・という想いを強くした一日でした。

11月のお休みは、3日(文化の日)・15日(土曜日)・23日(勤労感謝の日)・24日(振替休日)そして日曜日です。

朝、窓ガラスに露が降りていました。外の空気が冷たくなってきました。秋の深まりを感じます。おからだ、大切になさってください。