2015年1月のお知らせ

m201501初春のお慶びを 申し上げます

今年も皆様にとって、ご健康で、穏やかな時間が流れる毎日でありますように、ご祈念申し上げます。
初詣は、どこへ出かけられますか!

初冬、讃岐平野の西に位置する、刀比とひぐうを訪ねました。私たち「讃岐っこ」の間では、「こんぴらさん」の愛称で親しまれています。海上交通の守り神として信仰され、漁師・船員など海事関係者の崇敬を集めています。長く続く参道の石段は有名で、奥社までは1368段あります。江戸時代の中期、庶民の信仰が広がり伊勢神宮に続いて、金毘羅こんぴら参りは庶民の憧れでした。浮世絵の東海道五十三次のひとつ、「沼津」に、その情景が描かれています。白色のぎょうを着て、巨大な天狗のお面を背負う姿は、金毘羅参りの独特の習俗でした。

幼い頃から、意味もわからないまま、「こんぴら 船々 追風おいてに帆かけて シュラシュシュシュ・・」と歌っていた民謡は、江戸時代末期に作られたそうです。明治元年(1868年)、神仏分離令で「刀比とひ羅宮らぐう」と改称し、神社になりました。私は「こんぴらさん」へ行くと、会いたい「もの」があります。「何って!?」。20年近く前になると思います。東京で生まれ育った(当時、10歳だった)甥に、故郷の空気を感じてもらいたくて、金刀比羅宮を訪ねました。突然の誘いに、小学生の甥は戸惑ったかもしれません。431段目に、ニコニコと微笑んでいる「わんちゃんの銅像」があります。伝統ある神社の境内に、漫画から抜け出てきたような「わんちゃん」の笑顔。なぜ、ここにあるのだろう・・と不思議な気持ちに駆られると同時に、思わず微笑んでいました。(幼稚園生だった)姪は銅像に座って、Vサインをしながら写真に納まっています(笑)。

785段目にある御本宮神札授与所にて、「黄色いお守り」を買いました。太陽のような黄色い色に魅かれました。この黄色はこんから染められ、平安時代から染料として用いられ、虫除け・保温、そして災い除けとして産着などに使われたそうです。江戸時代、庶民は一生に一度は、「こんぴら参り」を願いました。しかし東日本からの参拝は容易ではありません。人は、自らの参拝の願いを、飼い犬に託しました。犬が、飼い主の代わりにお参りするのです。「こんぴら参り」と書かれた袋を首にかけ、長い道のりの旅にでかけます。袋の中には、飼い主の住所・氏名を書いた木札、初穂料、えさ代が入っています。

心優しい旅人から旅人に連れられ、街道沿いの人々に助けられて、「犬」はこんぴらさんに着きました。主人の代理として、お参りの努めを果たした犬たちは、「こんぴらいぬ」と呼ばれました。微笑ましい話ですね。「わんちゃんの銅像」の謎が、やっと解けました。小さな「こんぴら狗」と一緒になった黄色いお守り。「かわいがって下さいね」とメッセージが添えられています。こういう逸話から、「こんぴらさん」さんでは、ペット同伴の参拝が許されているそうです。「こんぴら狗の銅像」は、いつも笑顔で私たちを迎えてくれます。

1月のお休みは、1日(元旦)2日・3日・4日・12日(成人の日)・24日(土曜日)そして日曜日です。

今年も皆様のご協力を得て、年始のお休みを頂くことができました。ありがとう ございます。近所の神社では、お正月に「甘酒」のおもてなしがあります。冷たい空気の中で心も新たに、そして甘酒を頂きながら、からだも暖かくなります。今年も宜しくお願いいたします。おからだ、大切になさって下さい。