2016年7月のお知らせ
雨の中を、自動車が走り去る音が聞こえてきます。梅雨の季節に入りました。「虫たち」も、活発に動き出しました。歩いていると、様々な「虫たち」に出会います。「わっ」と心の中で、叫びながら・・(笑い・・)。詩人「まど みちお」さんは、動物たちの表情を、ユーモア豊かに、そして簡素に書かれています。「ケムシ」の詩は、「さんぱつは きらい」の一行。ひらがなで書かれ、優しさが伝わってきます。
香川県の西部に位置する金刀比羅宮。華やかで活気にあふれた空気に包まれながら、春の季節が始まります。4月9日から24日まで、第32回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が催されました。日本最古の芝居小屋「金丸座」へ続く沿道には、(お相撲で見られる)鮮やかな色の「のぼり旗」がなびいています。さぁ、金丸座に入りましょう。入り口でボランティアの「お茶子さん」から靴を入れるビニール袋を頂き、座席に案内されます。「マス席」と呼ばれる座席は、ひとつの「マス」の中に座布団が敷かれ、5人座ることができます(椅子じゃありませんよ・・笑い・・)。
ある方が言いました。「江戸時代の人たちって、小柄だったんやね・・」。そして、休憩時間、金丸座の中ではお弁当を頂くこともでき、幕の内弁当も販売されています(これは、意外でした)。江戸時代の人々の楽しい様子が、想像されるような「空間」です。歌舞伎大芝居は、第一部と第二部で、お客様が入れ替わり、各部、三演目が披露されます。第一部では、四代目中村鴈治郎の襲名披露の挨拶「口上」の演目がありました。家紋をつけた七名の裃姿(江戸時代の武士の最礼装だそうです)の役者たちが、扇子を前に平伏しています。
役者が順番に、襲名される役者へのお祝いの言葉を述べます。(襲名される)役者との出会いや思い出話・プライベートな出来事など、ユーモアたっぷりに話され、笑いを誘います。「すみから、すみまで、ずーっとお願い、たてまつりまするー」。声は演技以上に力強く、襲名へのお祝い・意気込みを感じるものでした。テレビで馴染みのある市川中車さん(俳優:香川照之さん)や片岡愛之助さんも、「口上」に出演されていました。
休憩時に外へ出てみました。ボランティアの方から、「次の演目・幸助餅は、人情味にあふれたものですよ。ちょっとしたプレゼントもあります。楽しんで下さいね」と話しかけられました。大阪で、餅米問屋「大黒屋」を営む「幸助(中村鴈治郎)」は「雷(市川中車)」という力士の出世に財産を注いだために、長屋住まい。時は流れ、幸助は餅屋を開き、忙しい毎日を送っています。ある日、雷が勧進相撲土俵のために大阪に現れます。幸助と雷、双方の気持ちのわだかまり・・そして、気持ちの表現の仕方の相違から生じた誤解・・。将来、雷が横綱になるのが早いか、幸助が再び、大黒屋の暖簾を張るのが早いか・・と約束します。演目の中でのプレゼントは、幸助が開いた餅屋からの「餅投げ」でした。舞台と客席が、より一層、近く感じられました。
鴈治郎さんの声や話し方は、歌舞伎を身近に感じさせてくれる魅力があります。琴平町の人々がこんぴら歌舞伎を支えるニュースが紹介されました。うどん屋さんは、休憩時間の短い役者さんのために「おうどん」の出前をします。金丸座の入り口で、小学生は、「とざい(東西) とーざい」と言いながら、「子ども木戸芸者」を演じ、演目や歌舞伎俳優の紹介をします(木戸芸者は、江戸時代の劇場の案内係だそうです)。琴平町の人々と歌舞伎役者さんたちが、いっしょに同じ舞台を作り上げていくと思いました。
7月のお休みは、2日(土曜日)・18日(海の日)そして日曜日です。
田植え前の「田んぼ」を利用して、丸亀市では「どろんこ まつり」が行われました。様々な衣装(ミッキー・マウス 学生服など)を着て、バレー・ボールやそりレースをします。大人たちも楽しそうです。おからだ、大切になさって下さい。