2017年2月のお知らせ

m201702讃岐のお正月は、「餡もち雑煮」で始まります。「いりこ」で出汁をとった、白みそ仕立てのお味噌汁に豆腐・大根・真っ赤な金時人参といっしょに、餡もちを頂くお雑煮です。初めての方は、この意外な組み合わせに驚かれます。「甘い食べ物」が貴重であった明治時代、「餡もち」は考案されたそうです。

会社のある小さな「高屋たかやちょう」内に、3つの神社があることに改めて驚きました。12月21日の冬至の日、神社にて「冬至のお神楽かぐら」が行われました。懐中電灯を持って、神社へと夜道を歩きます。その夜の空気感は幼い頃を思い出させてくれます。家々からの電気の灯りは、私の心を暖かくしてくれました。「神楽かぐら」は「神の宿るところ」を意味する「神座かみくら」が語源で、神さまと人々が交流する宴の場で行われた歌舞が神楽と呼ばれるようになりました。家内安全や五穀豊穣を願って舞い、昔は人々にとって、数少ない娯楽のひとつでした。古事記や日本書紀の「岩戸隠れの段」に登場する芸能の女神「アメノウズメ」の舞が、神楽の起源とされています。

冬至の夜、(中学生になる)神主さんの娘さんが初めて、お神楽の舞を奉納されました。神社に集まった人たちは10人ほど・・。(CDから流れる)太鼓と笛の音楽に合わせて、神主さんと2人の男性がシンバルを小さくしたような「鐘」を演奏します。時おり、拍子が合っていません(笑い・・)。木製の大きな火鉢を囲んで、手を暖めます。「まき」の赤い炎と白い煙を隔てて、巫女みこさんの舞姿が見えます。右回りに数回まわり、左回りに数回と、同じ動作を繰り返します。素朴な「音色と動作」の中に、趣が感じられました。

数年前から、町内の人々にとってお正月を魅力あるものにしよう・・と、元旦の朝、神社の境内で「お獅子舞」が奉納されています。中腰の状態で、片足でからだ全体を支える「お獅子舞」のポーズは、太ももの筋肉の強さが求められます。お獅子の鐘と太鼓の音は「お正月の雰囲気」をより高めてくれ、甘酒のお接待もあります。正月休み明けの日曜日は、朝から雨が降り続いていました。神社では、お正月のしめ飾りや古いお札を燃やす行事が行われ、「正月の神さまが、空に帰っていく」という言い伝えがあるそうです。神社へと足を運ぶ、小さな風呂敷包みを抱えた女性が「古くなった神棚かみだなを燃やしてもらおうと・・。粗末にしたら、いかんけんな・・」と言いました。私は大切な言葉を忘れかけていました。戦争の時代を経験している人々や両親から、何かにつけて「粗末にしたら、いかん・・」と言われながら、育てられました。

平成29年1月16日付の産経新聞の「話の肖像画」というコラム欄に、駐日サンマリノ大使「マンリオ・カデロ」さんが紹介されていました。サンマリノ共和国はイタリア半島の北部に位置し、イタリア国に囲まれています。十和田湖と同じほどの国土面積に、人口約3万人。「日本文化の一番のイメージは何ですか?」との問いに、「やっぱり神社ですよ」との答え(びっくり!!)。「日本人が礼儀正しい理由は、神道にあると思います。神道は哲学であり、日本人の考え方であり、生活様式です」「日本人の優しさの根底に、神道があると思います」。2007年、日本とサンマリノの友好関係50周年を記念して発行した金貨の収益金を基に、サンマリノ国内に(あま)(てらす)大御神(だいみかみ)を祀る(欧州で初めての神社である)「サンマリノ神社」を建立しました。

伊勢の職人さんが、「ほぞ組み」という釘を一切使わない伝統技術で建てました。サンマリノ共和国のブリカンテ宮司さんがイタリア語で祝詞を奏で、お神酒はワインだそうです。微笑ましいですね。マンリオさんは、「日本では、古いものが近代の中で、そのまま呼吸して生きています」と言われます。身近にある日本文化の良さを再発見させてくれた「コラム」でした。

2月のお休みは、11日(建国記念の日)・18日(土曜日)そして日曜日です。

この季節、香川の家庭の味「マンバのけんちゃん」が料理されます。かわいい名前でしょう!万葉(まんば)(野菜)とお豆腐を、だし汁で煮込みます。白いお豆腐を、「雪」に見立てています。小学校の給食のメニューにも登場するそうです。おからだ、大切になさってください。