2018年6月のお知らせ
楽しみにしていた5月のゴールデン・ウィーク。ゆっくりと過ごされましたでしょうか。出勤してきた同僚たちの表情を見ながら、「体と心を休めることは必要だなぁ・・」と改めて思いました。雨上がりのあと、木々の緑色はあざやかで、「朝露」がきらきらと輝いています。
新緑があざやかな光景の中で、時おり黄色く彩られた「田畑」に出会います。そう・・初冬に蒔かれて越冬した小麦「さぬきの夢」が収穫の季節を迎えています。こちらも黄色い田畑・・あちらも黄色い田畑・・。「さぬきの夢」小麦が育てられているのだ・・と思うと嬉しくなります。「麦の穂」は弓矢のように、真っすぐ、太陽に向かって育っています。麦の穂が実り、収穫時期を迎えている初夏の季節、「麦秋」(ばくしゅう、あるいは、むぎあき)の訪れです。初夏に、「秋」という言葉の響きは驚きますが、「秋は収穫を意味します」と説明されると、なるほど・・と納得します。俳句の世界で、「麦秋」は夏の季語だそうです。
「世界の永遠の名作を、映画館にて楽しみましょう」という企画にて、昭和26年(1951年)に封切られた小津安二郎監督の「麦秋」が上映されました。親・子・孫と3世代が同居する間宮家は、妹の「紀子」役を演じる原節子さんが結婚を機に、少しずつ従来の家族構成が変わっていく・・という物語です。映画は卓袱台を囲んで頂く「朝食」の場面から始まります。卓袱台って知っていますか!?円形のテーブルに、折り畳むことのできる四本脚がついている、食事のための座卓です。食事を終えると、脚を折り畳んでテーブルを片付けます。部屋を広く使える生活の知恵から生み出されたのでしょう。
幼い頃、近所のお家に遊びに行くと、蒸されたさつま芋が卓袱台の上にありました。忘れられない情景です。私は知らないうちに、あわただしく過ぎていく現代の生活に同化されているのでしょうか!?小津監督の映画は、時間と場面と会話が、ゆっくりと流れる印象を受けました。大半の方たちにとって、「お見合いにより結婚相手が決められる時代であった」にもかかわらず、「紀子」は自分の意思で結婚相手を決めます。「すーっと素直に、その(結婚)気持ちになれたの。幸福になれるような気がしたの」と答えます。映画「麦秋」は山々を背後に、麦畑の中を「花嫁行列」が歩いている場面で終わります。
映画を観終わって、私は「原節子」さんのファンになりました。「原節子さんの人生への強い信念や考え」が、表情・声・仕草から伝わってくるからです。映画は、もちろん「白黒」映画ですが、豊かな色彩が想像される映画です。戦後間もない時代に、小津監督は「女性が自分自身の考えを表す」という視点に注目したのは驚きでした。2018年5月の新聞に掲載されたコラム「人生の贈りもの」にて役者、樹木希林さんが小津監督の想い出を語られていました。「杉村春子さんの御伴をして、映画、秋刀魚の味の撮影現場に行きました。何度も、同じ場面の撮り直しを言い、撮影現場は緊張感であふれていました」。穏やかな空気が流れる小津映画から、「小津監督の力強いメッセージ」が感じられます。
6月のお休みは、16日(土曜日)そして日曜日です。
(会社近くの)「神谷神社にてほたる祭り。金魚すくい・焼きそば・ビールなどのバザーがあります」という知らせ(楽しそうです・・笑い)。神谷神社本殿は鎌倉時代の様式を残していて、昭和30年に国宝に指定されました。自治会の方は減少している天然の「ほたる」を殖やそうと、「ほたる祭り」を企画しています。おからだ、大切になさって下さい。