2018年12月のお知らせ
11月22日は二十四節季の「小雪(しょうせつ)」でした。江戸時代に発行された暦便覧の中に「小雪」という言葉が紹介されているそうです。日が短くなり、空気が冷たくなるにつれて、降る「雨」が途中で「雪」に変わる季節を意味しています。「暦を意識しながら暮らすと自ずから、体のリズムが季節と調和してきますよ」という言葉が、心の中に「す~っ」と入ってきました。
毎年、秋になると、ノーベル賞に話題が集まります。北欧スウェーデンのアルフレッド・ノーベル(1833~1896)はダイナマイトを発明し、「私のすべての財は基金を設立することにより、人類のために貢献した人々に分配されるように」と遺言を残しました。ノーベル財団が設立され1901年より、ノーベルの命日である12月10日に授賞式が行われています。
「手のひらの科学 人々を驚かす」という特集記事に心魅かれました。「人々を笑わせ、考えさせてくれる研究」に贈られる「イグ・ノーベル賞」が1991年に創設され、ほとんど毎年のように日本人研究者が受賞されています。1992年「足の匂いの原因となる化学物質の特定(化学賞)」。2003年、石川県の兼六園内の銅像にハトが寄り付かないことからヒントを得た「カラス除けの合金の開発(化学賞)」。2007年「牛の排出物からバニラの香り成分を抽出(化学賞)」。この年の授賞式では、バニラ味のアイスクリームがご馳走されました。2012年は喋り続ける人の邪魔をする装置「スピーチー・ジャマー(英語と日本語の合成語だと思います…笑い)の開発(音響賞)」。
2014年、北里大学の馬渕(まぶち)清資(きよし)教授は、人間が床に置かれたバナナの皮を踏んだときの摩擦の大きさを研究して、「摩擦係数」を考え出しました。誰でも、バナナの皮が滑ること知っています。しかし、どれくらい滑りやすいか・・という研究論文はなくて、この問題に取り組む「きっかけ」になったそうです。馬渕先生の専門は長持ちで滑らかに動く「人工関節」の開発で、関節が動く仕組みを研究してきました。バナナの皮の「ヌルヌル」した成分と、関節が滑らかに動くための粘液の成分には似た部分があるそうです。数十本のバナナを買い、自ら測定器の上で踏みつけ、論文をまとめたそうです。摩擦の研究は、コンタクトレンズのつけ心地や、お化粧の「乗り」など、私たちの日常生活に深く関わっていることに驚きます。
授賞式は、アメリカ東海岸の都市、ボストンにあるハーバード大学内のサンダーズ・シアターで行われ、受賞者・スタッフ・観客たち全員が「紙飛行機」を作り、投げる事から始まります。紙飛行機の掃除のためのモップ係は、ハーバード大学のロイ・グラウバー教授(物理学)が例年、務めているそうです。授賞者は「60秒の英語のスピーチで会場を沸かせるように・・」と求められます。馬渕先生はバナナを片手に、映画「天使にラブ・ソングを・・」に使われた曲に乗せて、論文内容を披露しました(楽しそうです)。
2016年、股のぞきをして見た景色は、直立して見た景色よりも奥行きが少ない印象を受ける効果の発見(知覚賞)。今年も日本人がイグ・ノーベル賞を受賞しました。昭和以南総合病院(長野県)の堀内(ほりうち)朗(あきら)先生は、「座ったままで大腸の内視鏡検査をする」装置(医学教育賞)を開発しました。「魅力とユーモア」にあふれた日本人の科学者たちが日夜、研究を続けられている頼もしい姿に嬉しくなりました。
12月のお休みは、24日(天皇誕生日の振替日)・29日(土曜日)・30日・31日そして日曜日です。年始は1月4日まで、お休みを頂きます。
12月22日は「冬至」です。、南瓜(なんきん)(=かぼちゃ)・蓮根(れんこん)・人参(にんじん)・銀杏(ぎんなん)・寒天(かんてん)・金柑(きんかん)・饂飩(うんどん)などの「ん」のつく食べ物を、冬至の日に食べると良いと伝えられています。讃岐では「おそば」も頂きます。ごちそうさま!!おからだ、大切になさって下さい。