2021年3月のお知らせ

友人からのメールに添付されていた「黄色いミモザ」の写真。日常生活の中に、優しい空気を運んでくれます。南ヨーロッパでは、ミモザの黄色い花の色は、厳しい冬の寒さに耐えてきた人々の「心」を照らす、「冬の太陽」として親しまれているそうです。

20年ほど前から、「盲導犬」の記事が目に留まるようになりました。友人のお母さんからプレゼントされた、「黒いワンちゃんのキー・ホルダー」がきっかけでした。ワンちゃんの首に「盲導犬」と書かれた「バンダナ」が飾られています。盲導犬の素質が認められたワンちゃんは、生後2か月、母親犬から離れ、パピー・ウォーカーという「子犬飼育ボランティア」のお家に預けられます。人間の家族の一員として、生活を共にします。盲導犬のタマゴたちが、人間社会を深く経験する大切な研修期間です(約10カ月)。人の食べ物を欲しがらない「テーブル・マナー」を学び、子供たちの学校へのお迎えをします。さまざまな人々との出会いの中で、盲導犬のタマゴたちは、「人と一緒にいると楽しいなぁ。心地いいなぁ」と感じる大切さを学びます。

1歳を迎えた盲導犬のタマゴは、人間の年齢では18歳。「犬舎」で本格的な訓練が始まります。大学生が寮生活を始めるような感じでしょうか(笑い)。適応能力の高いラブラドール犬は、慣れない環境でも、しっかりとご飯を食べて、数日で新しい環境に慣れるそうです。人々に注意を向け、その指示に従うための「基礎訓練」は、Sit(座れ) Down(伏せ)Wait(待て)など、英語で指導されます。

そして、「視覚障がい者の方」を安全に誘導するための訓練が、本格的に始まります。「ハーネス」という「胴輪」を身に着け、盲導犬が人の前を歩いて誘導することを教えます。最終段階では訓練士や指導員たちが、自らアイ・マスク(目隠し)をして盲導犬と一緒に歩いて、注意点を確認します。日常生活で、盲導犬として働く時間は1~2時間ほど。家での自由時間・職場での待ち時間・電車やバスでの移動時間が大半で、基本的には寝たり、横たわったり・・(笑い)。良い盲導犬の条件とは、「良く寝る事と、のびやかな性格」だそうです。

2020年11月、「心の輪を広げる体験作文」で、青森県の小学校6年生、金山聖(せい)渚(な)君の「盲導犬とともにくらす」が選ばれました。少し紹介しましょう。「みなさんは盲導犬を知っていますか。ぼくの住む北国の小さな町にも盲導犬はいるのです。おじのもとに盲導犬が来て、生活がすごく変わりました。おじは仙台まで行き、盲導犬ユアラとの相性を確かめました。初めて会った日から、おじはユアラを気に入って、お互いを信頼できる相手だと認め合いました。小学校の参観日、聞きなれたカウベル(ユアラの首に付けられている鈴)が廊下から聞こえてきました。教室に入ってきたのは、おじとユアラ。授業の後、おじは『がんばったね』とほめてくれました」。

津軽の雪景色を背景に、聖渚くん・ユアラ・叔父さまの写真が微笑んでいます。聖渚くん自身、ユアラからたくさんの事を学んでいるようで、「盲導犬に興味を持って、盲導犬を正しく知ってほしい」と書いています。盲導犬がハーネス(胴輪)を付けている時は仕事中の証です。仕事中は、盲導犬ユーザーが安全に歩くために、「そっと見守って下さいね」とのことです。会社近くの四国81番札所の白峯寺を訪ねたとき、白装束を着られたお遍路さんのそばにワンちゃんが寄り添っていました。ハーネスを付けている盲導犬でした。

3月のお休みは、3月6日(土曜日)と20日(春分の日)そして日曜日です。

友人のご両親は、目の不自由な方たちのために「本」などを朗読して、録音するボランティア活動をされています。太陽の日差しの「色」があざやかになってきました。おからだ、大切になさって下さい。