2022年3月のお知らせ
太陽の動きに伴い、24に分けられた季節が「二十四節気」です。2月19日は「雨水(うすい)」でした。雪が「雨」に変わり、氷が解けて「水」になる季節を意味しています。天と地に「息吹」があふれ、春の雨が降るたびに、閉じ込められていた世界が、開かれる季節です。19日、讃岐では、朝から「雨降り」の一日でした。
冬季オリンピックを楽しまれましたか。どんな競技が「心」に残りましたでしょうか。仕事を終え、テレビで映し出されていたオリンピックの試合は、女子カーリングの日本チームがスイスに敗れ、1次リーグ敗退という瞬間の映像でした。しばらくして、思いがけない「知らせ」が選手たちに届きます。予選で日本とカナダと英国の成績は5勝4敗。しかも3カ国は互いに1勝1敗の関係で、「差」がありません。この場合DSCドロー・ショット・チャレンジと呼ばれる数値が適用されます(難しそうな名前ですね。笑)。
試合前に、両チームの2選手は1回ずつ、「ハウス」と呼ばれる円の中心に向かって投球します。ハウスの中心からの合計距離の短いチームが、試合に有利な「後攻」を選ぶことができます。これを、LSDラスト・ストーン・ドローンと呼びます。北京オリンピックでは参加10チームが9試合、LSDの18回の投球の数値から悪い2投球を除き、平均化した数値がDSCと呼ばれます。この数値が小さいほど、ストーン(石)は円の中心に近いことを意味します。今回、日本は「9.44cm」という差で、カナダを抑え、1次リーグを突破しました。ラジオの解説委員の方が、「普段の練習の積み重ねが、9.44cmという結果につながっているのだと思います」と言われました。日本選手は、「あと2試合、神さまがくれたチャンス」と喜びの声に包まれました。
カーリングの規則を簡単におさらいしましょう。1チーム4人で対戦し、両チームの選手が交互に2投球して、合計16個のストーンでプレーします。1回の事を「1エンド」と呼び、10エンドまで繰り返します。相手よりも「円の中心」に近いストーンの数で得点が決まります。基本的に審判を使わない「競技者ジャッジ制」を採用し、お互いのチーム同士の信頼と尊敬の心から成り立っています。カーリング競技規則には「カーリング精神は、思いやりの気持ちと尊敬すべき行為を求めています」と記されています。「コンシード concede」は「譲る」という言葉。「精一杯プレーしましたが、相手のプレーが素晴らしかったので今回は勝利を譲りますよ」という意味合いで使われます。英国との決勝戦の第8エンドの後、日本選手は負けを認め英国選手にコンシードの握手を求めました。
新聞に掲載された一枚の写真が印象に残ります。チームの5人目の控えの選手が、全試合の終わる深夜にコーチとともに会場に残り、氷上でストーンを投げて、ストーンの特徴(曲がり方や滑り具合)を確認している情景です。(テレビの画面からはわかりませんが)「氷の表情」は刻一刻と変化し、「氷の状態」を読むことは難しいそうです。例えば、会場の気温や湿度そして観客数により影響を受けます。氷に霜が付くとストーンは「重く」なります。投げる速度を変えたり、ブラシで氷上を掃いたりします。カーリングは「繊細なスポーツ」だと思いました。試合中、「(ストーンを投げる方向は)こっちでいいかな~?」「うん、いいよ」という会話に私の心は和みました。コミュニケーションの大切さも学びました。
3月5日(土曜日)・12日(土曜日)・21日(春分の日)そして日曜日、お休みを頂きます。
スイスとの準決勝の翌朝、ラジオのリスナーの方からの投稿です。満月を見ると、カーリングのストーンに見えてきます(笑)。黄色い梅の花が咲いています。おからだ大切になさって下さい。