2022年9月のお知らせ

お盆を過ぎる頃、蝉たちの鳴き声が少しずつ小さくなります。夕暮れ時には「鈴虫たち」の優しい声に囲まれます。ほんとうに「鈴の音」みたいです。

今年、77回を迎える8月15日の終戦記念日と阪神甲子園球場での高校野球。8月の空に響きわたる「サイレンの音」は様々な想いを呼び起こしてくれます。作家の高橋源一郎さんは広島から、「戦争について」というラジオ番組を放送されました。「私は、77年前の国鉄(旧JR)の全国時刻表を持っています」という言葉から始まります。その時刻表によると、(1945年)8月5日、21時30分京都駅発の列車は明石駅、姫路駅を経て、翌日8月6日の早朝4時31分に尾道駅、7時58分に広島駅に到着・・と記されています。

当時、19歳の女学生は広島市にある「広島陸軍兵器補給廠(ほきゅうしょう)」という仕事場で働いていました。女学生はホーム・シックになり、両親の住む尾道市に帰ります。そして、8月6日の早朝の列車に乗るために、尾道駅の切符売り場に並んでいました。当時、切符は厳しい枚数制限がありましたが、たくさんの人々が並んでいました。女学生の前で、切符売り場の「窓口」は閉まってしまいました。切符が売り切れたのです。女学生は補給廠での朝会に間に合わない・・と困惑しますが、次の列車の切符の購入のために、再び窓口に並びます。しばらくすると、駅員さんは「列車は来ませんよ。広島で新型の爆弾が落ちたらしい・・」と人々に告げました。その女学生は高橋源一郎さんのお母様で、「あと1枚、切符があったならば・・」と、何度もこの時の情景を話されたそうです。

リスナーの方からのお便りです。「私の祖母は被爆を経験し、私は被爆3世です。祖母が逝ってしまってから、毎年、平和記念式典に参列します」。山口県の方は、「10歳の娘と一緒に朝早く山口を出発し、一般参加として平和記念式典に参列します」。様々な想いで、この平和記念式典の日を迎えていると思いました。

お盆の季節、香川では小さな「盆燈籠」を墓地に飾ります。夕暮れの中で、優しく揺れている「あかり」は素敵です。長崎ではお盆のとき、墓地で「花火をする」というお話を聞きました(ちょっと びっくり)。しかも、ロケット花火のように打ち上げる花火もあるそうです。この風習は中国文化の影響で、ご先祖様を賑やかに迎え、そして送るという思いが込められています(日本が鎖国をしていた江戸時代、長崎だけが海外との交易を許されていた貿易港でした)。長崎のお盆では、子供たちに「花火代」をプレゼントする風習があるそうです。お年玉ではなくて、「お盆玉」。子供たちは花火代を頂いたら、お墓でする花火を急いで買いに行くそうです。楽しそうですね。

9月3日(土曜日)・10日(土曜日)・19日(敬老の日)・23日(秋分の日)そして日曜日です。

甲子園球場での高校野球。選手たちが、「甲子園があったから、コロナを乗り越えることができた」と言われた言葉が印象的でした。香川県からは高松商業が出場。昨年、指導に来られたイチローさんから頂いた「黒いバット」と一緒にベンチに入りました。おからだ 大切になさって下さい。