2023年11月のお知らせ
10月は神無月(かんなづき)。「全国の八百万の神々が島根県の出雲に集まり、村の神さまが不在になる」という言い伝えから名づけられました。出雲では、10月は「神在月(かみありづき)」と言われるそうです。
仕事を終え、神社へと夜道を急ぎます。秋祭りの行事のひとつ「お神楽」が7時過ぎから始まるからです。月の光に照らされ、夜道を歩きます。家々の灯りから、「生き生きとした」印象を得たのは新たな発見でした。神楽は宮中の中で限られた人々で継承されている「御神楽(みかぐら)」と、民間の人々により伝えられてきた「里神楽(さとかぐら)」があります。その起源は「古事記」や「日本書紀」に記されている「岩戸隠れ」に遡るそうです。坂出市は、各神社の宮司さまたちが集まり、順番に各神社にて神楽を奉納します。古代日本では(現在の県庁にあたる)「国府」と呼ばれる役所が、各国に置かれました。それ故、土地の神社を司る人々が神楽の担い手となりました。讃岐国の国府は坂出市に存在したと言われ、現在も発掘調査が続けられています。「府中町(ふちゅうちょう)」という地名もあります。10人の宮司さまが、その夜、「松井春日神社」にて奉納しました。アニメ映画の「トトロ」に出てくるような、小さな神社です(笑)。
里神楽は「五穀豊穣や無病息災」を願って神に奉納し、江戸時代に始まったそうです。神楽の意味は「自然の恵みに感謝を捧げ、神さまをもてなし、楽しんで頂く事」、そして「神さまと一緒になる事が祭りの本質」とされています。演目は、古事記の逸話を題材に、どのように人々が自然とともに共存してきたかを伝えているそうです。正直、神楽を見ながら、詳しい内容を理解することができません。一度、神主さんにお聞きしたいと思います。ただ、幼い頃に観た神楽の演目と、同じ演目が受け継がれています。終盤には「お酒で顔が赤くなったお面」をつけた宮司さんが、酔っぱらった様子で人々に、お酒を振る舞う仕草をします。笑いを誘う場面です。そして、「お面」を付けた2人の宮司さんが「よもやま話」をしながら、小さな「木製の船」に「片足」を入れ、「ほんじゃ 行きましょう」と神楽は終わります。時計は9時を指していました。
地方紙の記事に、「水の神さま」を祭る「垂水(たるみ)神社」(丸亀市)の神楽が紹介されていました。夜を徹して、夜明け前の5時過ぎまで奉納されました。「御日待神事(おひまちしんじ)」といって、お日様が姿を表すのを待ちながら奉納します。自然への感謝が、より一層、感じられる記事でした。
11月のお休みは、3日(文化の日)・11日(土曜日)・18日(土曜日)・23日(勤労感謝の日)そして日曜日です。
「たきぎの炎」が用意された神楽。静かな空気の中で贅沢な時間を過ごしました。「単調な動きと単調な音色」の繰り返し・・と思えますが、深い趣が感じられます。「伝承(でんしょう)は形を変えずに残していく」という言葉を考える機会を与えてくれました。その夜の観客は10名ほど。来年はたくさんの方が来られますように・・。おからだ 大切になさってください。